7月24日のロシアの報道より
ロシア西部にあるニジニ・ノヴゴロドという場所で巨大なシンクホール(陥没穴)が突然発生したことが、ロシアのほとんどの報道メディアで報じられています。
そのシンクホールの大きさは、直径 32メートルで、深さは 50メートルという、かなり巨大なものです。
下の写真で、円で囲んだ部分の「人のサイズ」から比べていただけば、その巨大さがおわかりになるのではないでしょうか。
ニジニ・ノヴゴロドで発生したシンクホール。丸で囲んだところに人がいます
場所は、ニジニ・ノヴゴロドという大変覚えにくい名称のロシアの街ですが、ここはモスクワとも比較的近い場所にあります。
ニジニ・ノヴゴロドの場所
・Google Map
なお、冒頭のロシアの報道では「断層」という言葉が使われていますが、ロシアでは、シンクホールという名称が使われませんので、このような呼称となっているようです。
このロシアのシンクホールは、その深さなどを考慮しますと、最近報じられたシンクホール事象の中でも飛び抜けて大きなものだと思います。
その後、ロシア非常事態省の地方局がすぐに調査に向かい、これは地下水による土壌や岩石の浸食の結果として形成されたことによる土壌の破壊であり、以後、「現場は、非常事態省の管轄下となる」と発表しています。
現地に降り立つロシア非常事態省の職員たち
それにしても、今回の事象だけではないですが、巨大シンクホホールの写真を見て思うのは、「崩壊した土はどこへ行ったのだろう」という素朴な疑問です。
今回のシンクホールを上から撮影した写真を見ても、やはり同じことを思います。
直径 30メートル、深さ 50メートルの土の量というのは莫大なものとなりそうですが、どこへ消えるものなのでしょうかね。まあ、もちろん「下へと」消えていくと考えるのが普通なのでしょうけれど…。
なお、今年起きた巨大なシンクホール事象で印象的なのは、ペルーでのもので、それは「成長し続けるシンクホール」でした。以下の記事で取りあげています。
ペルーでの地質の異変は続く : クスコに巨大な亀裂が発生した同じ頃、近隣のフニン県では深さ40メートルの奇妙な「成長するシンクホール」が出現していた
他にも今年は、中国の仏山市で直径 30メートルのシンクホール(記事)、ローマのバチカンの近くでのシンクホール(記事)、ニュージーランドで同国最大級のシンクホール(記事)などでシンクホール事象が起きていますが、現象自体が「巨大になってきている」という雰囲気があります。
2016年の福岡でのシンクホールも巨大でしたが、世界全体として、地質も何か不安定な感じとなっています。