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太陽の「裏側」で、サイクル25で最大となる「X14の巨大フレア」が発生。10日後くらいには、その黒点が地球側に

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2024年7月23日に太陽の裏側で起きたフレアによるCME(コロナ質量放出)

NASA/SOHO
このCMEは地球には影響を与えませんでしたが、太陽系のかなり広範囲に影響を与えたようです。




7月23日に、太陽の「裏側」で、太陽活動周期サイクル25で最大の X14 の太陽フレアを発生させていたことが、欧州宇宙機関(ESA)の太陽観測衛星ソーラー・オービターの観測により判明しました。

ソーラー・オービターは、その際、地球から見て太陽の裏側の位置にあり、この太陽フレアを観測したようです。

衛星ソーラー・オービターが検出したX14フレア

spaceweather.com

現在のサイクル25でのこれまでの最大のフレアは、今年 5月14日に太陽の端で発生した X8.7 フレアでした。

(記事)太陽活動周期サイクル25で最も巨大なX8.7の太陽フレアが「ほぼ裏側に回った場所」で発生
地球の記録 2024年5月15日

それと比較しても、今回裏側で発生したフレアはかなり巨大なものですが、このフレアを発生させた黒点は、大体のところ、今から 1週間から 10日後には、地球に向けて回ってくるとみられます。

その際にどういう状態の黒点であるかが重要となりますが(小さくなったり消滅していくこともよくありますので)、どんな状態でこちらに回ってきますかね。

7月23日の X14フレアに関して、スペースウェザーが詳細に解説していますので、ご紹介します。





大規模な太陽の裏側でのフレア

MAJOR FARSIDE SOLAR FLARE
spaceweather.com 2024/07/26

太陽活動周期 25(サイクル25)での最大のフレアが太陽の裏側で発生した。ヨーロッパの太陽探査機 SolO (欧州宇宙機関の太陽観測衛星ソーラー・オービター)の X線検出器は、X14 カテゴリーの爆発を検出した。

7月23日の爆発が発生したとき、ソーラー・オービターは太陽の裏側にあり、地球からは見えないフレアを観測するのに最適な位置にいた。

「 NOAA の衛星での推定からは、これはサイクル25に入ってからこれまでで最大のフレアでした」とカリフォルニア大学バークレー校のサミュエル・クルッカー氏は言う。クルッカー氏は、太陽フレアを検出し、NOAA (アメリカ海洋大気庁)の GOES 衛星と同じ規模で分類できるソーラー・オービターの X線望遠鏡 STIX の主任研究員だ。

「私たちが検出した他の大きなフレアは、2024年5月20日(X12)と 2023年7月17日(X10)です。これらはすべて太陽の裏側から発生しています」

一方、太陽の地球側では、これまでで(サイクル25で)最大のフレアが 2024年5月14日に X8.9を記録した。ソーラー・オービターは少なくとも 3回のより大きな太陽の裏側での爆発を検出しており、これは地球が多くのフレアの直撃を免れてきたことを意味している。

X14 の裏側フレアは確かに大きな出来事だった。NASA の太陽・太陽圏観測衛星 SOHO のコロナグラフ動画で示されているように、巨大な CME (コロナ質量放出)が宇宙に放出された。

この CME は太陽系全体に高エネルギー粒子をまき散らした。

地球自体も太陽の反対側にあるにもかかわらず、「硬い」陽子 (E > 100 MeV) に襲われた。

「これは 360度にわたる大規模な出来事です」と、ソーラー・オービターに搭載された高エネルギー粒子検出器の主任研究員であるジョージ・ホー氏は言う。

「火星での高線量も引き起こしました」

衛星ソーラー・オービターは、7月24日に CME の直撃を受けた。わずか数分で、この観測衛星が激しい雹嵐のエネルギーイオンと電子に襲われ、粒子の数はほぼ 1,000倍に増加した。

「これは私たちが『エネルギー嵐粒子』(ESP)事象と呼んでいるものです」とホー氏は説明する。「これは、CME の衝撃波前面で粒子が局所的に、通常の太陽放射嵐よりも高いエネルギーに加速される事象です。1989年3月に地球の周りで発生した ESP 事象が、カナダのケベックで大停電を引き起こしたのです」

もし、今回のフレアによる CME がソーラー・オービターではなく地球に衝突していたら、1989年3月のようなことが起こったかもしれないということを意味する。

次回はそうなるかもしれない。このフレアの源である黒点は、今後 1週間から 10日後に地球に向かって回ってくるので、引き続き注目されるものとなる。







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