インドのニューデリーで公園の白鳥の殺処分作業を進める保健当局。 The Star
昨年 11月からの今シーズン、鳥インフルエンザの蔓延が繰り返し起きており、日本を含めて、世界中で「過去最大の殺処分」が続いています。
私自身は、鳥インフルの感染流行の抑止に対しての大量殺処分は、「無駄にもほどがある」と考えており、まったく感心しないですが、そのあたりは以下の記事などでふれています。
世界的単位で見れば「意味がない鳥インフルエンザでの殺処分」。しかし、世界の鳥インフルエンザでの殺処分数はすでに数百万羽規模に
投稿日:2020年12月9日
鳥インフルエンザの歴史的流行の中、韓国で610万羽の鳥が殺処分。日本での感染拡大も過去最悪を更新し、殺処分数は300万羽に
投稿日:2020年12月20日
そして、1月の終わり以来、またも世界的な鳥インフルエンザの大発生が起きており、再び世界各地で大殺戮が始まりました。
スウェーデンでは、1月終わりから 130万羽の鶏が殺処分され、日本でも千葉県と宮崎県で、2月6日から合計 140万羽の鳥が殺処分作業が続いています。その他にも、インドでも大規模な鳥インフルエンザの感染拡大が確認されており、今後、インドでも夥しい数の殺処分が始まると想定されます。
それぞれの報道を短くご紹介します。
日本
千葉、宮崎で鳥インフル 感染拡大、計139万羽殺処分
千葉県は7日、前日の旭市に続き、多古町の養鶏場でも致死率の高い高病原性とみられる鳥インフルエンザが発生したと発表した。県は飼育されている約115万羽の殺処分を決め、自衛隊に災害派遣を要請した。
一方、宮崎県は7日、新富町の養鶏場で高病原性とみられる鳥インフルの発生を確認。約24万羽の殺処分と併せ、半径10キロ圏内にある養鶏場の鶏や卵の移動を制限した。 (時事 2021/02/07)
スウェーデン
鳥インフルエンザがスウェーデンの飼育場を襲った後、130万羽の鶏が殺処分される
地元メディアの報道によると、養鶏場で鳥インフルエンザの発生が報告された後、スウェーデンのカルマル郡で約130万羽の鶏が処分される予定だ。
報告によると、高病原性鳥インフルエンザウイルス H5N8 と H5N5 の広範囲にわたる拡散が農場で発見された。
感染は施設内でさらに広がっており、130万羽の家禽を殺す必要があるという。 (tribuneindia.com 2021/01/26)
インド
インド政府は14州で鳥インフルエンザの蔓延を確認
インド政府は、14州で鳥インフルエンザの発生を確認した。
漁業畜産酪農の大臣ギリラジ氏は、病気の封じ込めに加えて、人々の意識を高めるために適切な措置を講じていると述べた。 (The Star 2021/02/05)
また、ブルガリアでも、今シーズン初めての鳥インフルエンザの発生が確認され、16万羽以上のアヒルを殺処分すると発表しています。
渡り鳥の回遊マップを見れば、ブルガリア周辺のヨーロッパでも、またも大きな鳥インフルエンザの感染が発生するのは間近だと思われます。
先日の以下の記事で取り上げましたが、中国でも地域的に鳥インフルエンザの発生が見られ、いつ大きな感染拡大になるかわかりません。
中国北京の公園で鳥インフルエンザにより「三羽のブラックスワンが死亡」
投稿日:2021年2月2日
先ほどリンクした記事「世界的単位で見れば「意味がない鳥インフルエンザでの殺処分」…」でも書きましたが、渡り鳥は以下のような飛行ルートで「世界中を移動して」います。
渡り鳥の経路マップ
EAAPP
このような現実がある中、どこかの一部の地域だけで、どれだけ大量に鳥たちを殺しても、感染拡大の根本対策になるはずもないのですが、それでも結局、12月に続いて、2月も「世界中で鳥の大虐殺」が続くと見られます。
殺されているのは、主に鶏やアヒルですが、冒頭のインドのように、場合によっては、野生の白鳥までをも殺処分しているようです。
現時点で、殺処分された鳥類の数はシーズンとして世界全体で過去最大数ですが、鳥インフルエンザの流行の終わる 4月頃までに何千万羽の鳥が殺されることになるのかわからない状況となりました。