2020年02月09日 午前9時 (公式発表数値)
患者数 37,045人
死者数 805人
重症者 6,188人
感染が疑われる人 27,657人
経過観察対象者 188,183人
密接な接触での追跡者数 371,905人
毎日、淡々と患者数 3000人が機械的に上乗せされ続けています。
本日の致死率も 2.1%でありまして、前回の 2月8日の記事で取り上げましたように、致死率は、ほぼ 10日連続で 2.1% となり、ブレることはありません。
公式発表の 805人という死者数が正しいかどうかはともかくとして、2003年の SARS の世界全体での死者数は 774人でしたので、公式発表のレベルでも、それを超えたということになります。
SARS の死亡者数が 774人に達するのに要した期間は 9ヵ月でしたが、今回の新型コロナウイルスは、感染拡大から 29日間で 805人に達しています。
新型コロナウイルスが、SARS に比べて格段に致死率が低いことを考えますと、このコロナウイルスの感染率の高さを改めて知らされる事実ではありそうです。
ちなみに、SARS の時は流行終息までの総患者数が 8100人でしたので(現在の実際の患者数とはかけ離れている可能性が高いとはいえ) すでに 3万7千人以上の患者を出している武漢ウイルスは別格の感染症といえそうです。
また、公式発表での重症者数の率が 15%を超えていまして、致死率は低くても、比較的重症化しやすいということはいえそうです。
高齢者や基礎疾患がある人たちにリスクが高いだろうとはいえ、亡くなったと伝えられている中国の医師は 34歳だったと報じられていますので、いろいろな場合があるということになりそうです。
なお、1週間ほど前の以下の記事で中国の研究者による「排泄物からも感染する可能性」について取り上げたことがありました。
これは昨日 2月8日に、アメリカの医学誌に掲載されたことで、日本でも報じられていました。
・新型ウイルス、排せつ物からの感染示す兆候 下痢の患者ら見逃し? 論文 (AFP)
これが意味するところは、排泄物や吐瀉物がエアロゾル化して大気中に漂うことで、厳密には空気感染とは定義されないですが、実質的に空気感染と同じようなことが起きている可能性があります。
日本のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で起きているような、ものすごい感染力を見ていましても、それは理解できます。
新型コロナウイルスは、飛沫感染だけではないはずです。
そのダイヤモンド・プリンセス号では、これまでに感染が確認されている他に、乗客乗員の 100人ほどが発熱などの体調不良を訴えていると報じられています。
・クルーズ船の約100人、発熱など体調不良訴え (産経新聞 2020/02/08)
なお、中国の今年の春節の国内での人の移動が、平年より 70%以上減少していることがわかり、健康面の問題と共に、経済的な問題も大きなものとなっている可能性が高いです。
東洋経済に、春節の中国の小売業と外食業の売上損失額が、日本円で「 8兆円」にも上るという記事が出ていました。
・新型コロナで中国の外食・ホテル業は壊滅危機 (東洋経済 2020/02/08)
記事では、これは「春節期間の売上が例年の半分になると見積もった場合」としていますので、上の人の移動量の極端な減少ぶりを見ますと、損失はさらに大きくなっている可能性があります。
もちろん、これは中国国内だけの問題ではなく、中国人観光客に大きく依存している日本や韓国、タイなどの国でも同じような損失が発生していると思われます。
そして、これは一時的なものではなく、少なくとも、影響が何か月かは続く可能性が高いものですので、いよいよ経済を含む社会的な問題となっていく可能性が高いです。