2020年02月10日 午前9時 (公式発表数値)
患者数 40,553人
死者数 910人
致死率 2.2%
重症者 6,484人
感染が疑われる人 23,589人
経過観察対象者 187,518人
密接な接触での追跡者数 399,487人
武漢上空の二酸化窒素レベルの意味
武漢コロナウイルスでの死者数は、公式発表で 910人となり、SARS での全世界での死者数(813人)をはるかに超えました。
この公式発表の数値に信頼が置かれていない可能性があることは、各国の科学者の推定値と、公式発表数値が大きく離れていることなどから、これまでも記していました。しかし、公式発表のほうにしても、昨日から患者数が 3500人ほど増えていて、また死者数も 1日で 100人以上増加していまして、感染拡大以来最大の増加数となっています。
そのような中、アメリカに亡命中の、いわゆる億万長者である郭文貴さんという方が、2月9日、中国から得た内部情報として、
「中国では、これまでに 150万人が感染し、すでに 5万人が死亡して火葬された」
とアメリカのメディアのジャーナリストに伝えたことが報じられています。
郭文貴さんというのは以下のような人です。
郭文貴(1970年5月10日 -)は、中国の実業家、投資家で、2014年に中国を逃れ、アメリカ合衆国へ亡命。2017年1月26日、明鏡集団の独占インタビューを受けて、「身の安全、財産の安全、復讐」のために、中国共産党の最高指導部メンバーらの腐敗・汚職を暴露しはじめた。
一連の暴露行為は「暴露革命」としてグローバル的に広がり、特に中国国内で浸透しており、中国共産党政権を根本から脅かしている。(Wikipedia)
ということで、中国共産党に反対する立場をとっているので、話も半分くらいに聞いたほうがいいのかもしれないですが、欧米のメディアに対して比較的影響力の大きな人ですので、この「死者 5万人」という発言は大きく伝えられています。
下は、2月9日の発表会見の映像で、左から 2番目の方が郭文貴さんです。
郭さんは、この映像で以下のように述べています。
2月9日の郭文貴さんの記者会見の内容
武漢には、49の火葬場があり、現在それが 24時間フルで稼働している。これは、1日に 1200の遺体を焼却することができる能力を持つ。このフル稼働の状況は、武漢でも他の都市でも 17日間続いている。
中国では、現在、2億5000万人が隔離されている。このような状況で、正確な患者数が把握できるとは思わない。しかし、皆さんもご存じのように、新型コロナウイルスの感染は、中国の半数の地域で起きている。
私が得た内部情報によれば、これまでに、中国では 150万人の感染者が出ていると疑われている。火葬された死者は 5万人に達すると考えられる。
ここで言及された「 49の火葬場が、 24時間フルで稼働している」という発言に対して、エポックタイムズの記者など何人かの人々が、
「武漢での二酸化窒素レベルが異常に高い」
ことを指摘しました。
2月9日の武漢の二酸化硫黄ガス濃度
・windy.com
また、地球の温度や風、大気の状態などをリアルタイムで見ることのできるサイトで見てみますと、中国は全体として二酸化窒素のレベルが大変に高いことがわかります。
2月10日のアジアの「二酸化窒素」濃度
・windy.com
二酸化窒素は、高温で物が燃えるときに大気中に含まれる窒素と酸素が結合してできる一酸化窒素が、太陽の光のエネルギーなどを受けて、空気中の酸素と結合して変化してできるものです。
なので、工場の稼働や石炭ストーブが多く使われている、などでも濃度は濃くなると思いますので、もともと大気汚染のひどい中国で二酸化窒素濃度が高いことは不思議なことではないです。
ただ、現在、「少なくとも武漢や湖北省では、多くの工場が稼働停止している」上に、多くの地域で移動が制限されているために、「自動車の交通も非常に少ない」と思われまして、その中で、この異常な二酸化窒素のレベルは不思議ではあります。
これが、郭文貴さんの言うように「フル稼働している火葬場」の影響なのかどうかわからないですが、工場が稼働していない中で「ものすごい燃焼の状況」が示されていることは事実ではあります。
ただ、郭文貴さんは、「武漢には 49の火葬場がある」としていますが、2月8日のエポックタイムズ日本語版には「武漢市には現在、8カ所の火葬場がある」とあり、数字が食い違っています。おそらく、湖北省の火葬場が 49だということではないのかとも思います。
エポックタイムズでも、「武漢の火葬場は 24時間フル稼働している」とは書かれています。
その記事から抜粋します。
武漢市の火葬場、「1日116人の遺体を焼却」6割が自宅で死亡
epochtimes.jp 2020/02/08
新型コロナウイルスによる肺炎の感染者・死者の人数をめぐって、中国政府の発表を疑問視する声が後を絶たない。大紀元は2月4日、湖北省の複数の火葬場を取材したところ、火葬場の処理量は平常時の4倍から5倍だという。
電話取材を受けたある火葬場の幹部によると、旧正月に入る前から無休で働いており、「身も心も持たない」ほど忙しいと述べた。「昨日(3日)127人の遺体が運ばれてきた。116人を火葬した。死亡証明書の『死因』に『新型肺炎』と書いてあるのは8件、『新型肺炎の疑い』が48件だった」
武漢市の新洲火葬場も取材した。取材に応じた職員は9台の火葬炉が24時間稼働していると答えた。漢口火葬場は、20台の火葬炉が絶え間なく稼働していると大紀元の取材に答えた。武漢市には現在、8カ所の火葬場がある。
冒頭の火葬場幹部によると、多くの遺体は病院からではなく、死亡者の自宅から運ばれてきたという。「ちょっと計算してみたところ、38%が病院から、61%が自宅から運ばれてきた」
中国当局は新型肺炎感染患者の遺体取り扱いに関する通達で、自宅で死亡し死因がはっきりしない場合、感染者と接触した経歴があれば、一律に「感染疑い」として処理するよう指示している。中国政府が発表した死者数は、感染を確定した患者の死亡者数であり、感染疑いのままで死亡した人を含んでいない。
工場や自動車などが稼働していないことを示すものとしては、PM 2.5 のレベルがありますが、毎年、激しい PM2.5の大気汚染に曝されている中国が、「今は比較的きれいな大気」の状況となっているのがわかります。
2月10日のアジアのPM2.5の分布状況
・windy.com
いつもなら真っ赤に染まる中国の PM2.5レベルの状況が、穏やかなレベルになっています。これは、工場はあまり稼働していなし、移動する自動車の数も、とても少ないことを示していると思います。二酸化窒素のレベルだけが上昇している。
真実はわからないものの、不穏な証拠が積み上がります。
それにしましても、皮肉な話ですが、「パンデミックは大気汚染を止める」ようです。