放火の時代：米ルイジアナ州で「前例のない」450件の山火事が進行中 - 地球の記録

平年とは比較にならない発生率

アメリカのルイジアナ州の各所で大規模な山火事が発生していることが報じられています。米ニューヨークポストが、「前例がない」と表現しているほど大規模に発生しているようで、ルイジアナ州だけで 450件以上の山火事が、この数週間で発生しているとのこと。

その報道をご紹介させていただこうと思いますが、最近の「山火事」は、発生要因に非常に不審なものが多いことは事実です。

7月にギリシャで発生した大規模な山火事は、ギリシャ政府自身が「ほとんどが放火による」と発表していました。

また、スペイン領の著名な観光地であるテネリフェ島での大規模な山火事も、警察当局が「放火」だと認めています。

最近では、アメリカで「リサイクル施設が次々と火災で焼失」したことをご紹介したことがあります。

不穏としか言いようがない雰囲気に包まれている現状ですが、これらが人為的なものであるとした場合、夏の間は続くのかもしれません。

なお、このルイジアナ州の山火事も、当局は「一部の山火事は意図的に発生した」と述べていて、450件の山火事のうちのいくつかの火災は放火による可能性が高いようです。

ニューヨークポストの報道です。

ここ数週間ルイジアナ州を襲っている「前例のない」山火事で少なくとも 2人が死亡した。

8月27日にはニューオーリンズのすぐ北にあるセント・タマニー教区で山火事が小屋に延焼し、高齢の女性の死亡が確認された。今月初めにはフランクリントンで男性が自宅と周囲の土地に火災が発生し死亡した。

この火災は、記録的な高温と深刻な干ばつの状況の中、ルイジアナ州南西部でここ数週間に数千エーカーを焼き尽くした 450件以上の山火事のうちの 2件にすぎない。

ルイジアナ州農林省長官のマイク・ストレイン氏はワシントン・ポストに対し、「これほど多く、これほどの規模の山火事は、ルイジアナ州では前例がない」と語った。

同省のデータによると、同州では年間平均で合計 771件の山火事、つまり 1日あたり約 2件の山火事に対処している。

しかしここ数週間、同州では毎日平均 21件の山火事が発生しており、州内の 64教区のうち 17教区で非常事態が宣言された。

ルイジアナ州農林局は 8月27日、ニューオーリンズの北と西で 10分以内に 14件の山火事が発生したことを記録した。

「これほどの暑さと乾燥、そして降水量の少なさにより、これはおそらくここ一世代で最も乾燥した、最も干ばつが発生しやすい状況です」とストレイン氏は語った。

週末の気温はルイジアナ州の複数の地域で過去最高記録を更新し、8月27日にはニューオーリンズ国際空港で過去最高気温となる 40.5℃を記録した。

州当局者たちによると、8月25日から 26日の 1日の間に延焼面積は 1万5000エーカーから 3万3000エーカー（52平方マイル）以上に拡大し、強制避難を余儀なくされた。

州兵と地元消防団が消火活動を行っているが、大規模火災はまだ 50％しか鎮火していない。

テキサス、フロリダ、オクラホマからも消防隊が招集されている。

ニューオーリンズ国立気象局事務所の主任気象学者ダニエル・マニング氏は、「土地が非常に乾燥しているので、草も茂みも本当に乾いています」と語った。「このような干ばつ状態では、あらゆるものに火がつきやすくなります」

米国干ばつモニターによると、ルイジアナ州の 77%近くが深刻な干ばつに見舞われており、約 420万人の住民が影響を受けている。

同時に、8月25日にラピーズ教区の一部を焦がした山火事は意図的に発生したと当局者は述べた。

専門家たちによると、稲妻や強風を伴う散在的な嵐が予想され、火災が拡大し、延焼方向が変わる可能性さえあるため、状況は悪化するばかりだと予測されている。

週半ばには、ハリケーン・イダリアによる風もさらなる火災の延焼を引き起こす可能性がある。

そのハリケーンの間もルイジアナ州では雨がほとんど、あるいはまったく降らないと予想されている。

「我々はこの戦いに長期戦を続けている」とストレイン氏は語った。

「大雨が降るまでこの戦いは続くと予想しています」