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「予兆のない火山の噴火」が続く日本列島周辺

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2019年8月7日 噴火する浅間山


気象庁




 

8月7日に、長野県と群馬県に位置する浅間山で噴火が発生しました。

噴火そのものは、小規模なものだったようですが、それでも、大きな噴石が 200メートル飛ぶなどの噴火でもありました。

しかし、何より、この浅間山の噴火で特徴的だったのは、

「噴火の予兆がまったくなかった」

ことです。

以下は、テレビ朝日の報道です。

これまでとは大きく違う」浅間山噴火

テレビ朝日 2019/08/08

7日午後10時8分に起きた長野県と群馬県にまたがる『浅間山』の噴火では、気象庁によると、噴煙が 1800メートル以上、大きな噴石は 200メートルほど飛んだことが確認されている。火口から 4キロ先にあるキャンプ場では、利用客 28人が避難したという。

今回の噴火は小規模で目立った被害はなかったが、専門家からは「噴火の前兆がこれまでとは大きく違う」という声が上がっている。

これまで、浅間山が噴火する前には、火山性地震の発生や火山ガスの増加など、噴火の予兆が確認できていたが、今回はなかったという。

浅間山を長年観測している東京大学・武尾実名誉教授は「今回のように、ほとんど前兆が見られなかったのは初めて。マグマの供給が促進されるようなことがあれば、さらなる噴火の発生や噴火の規模が大きくなることもあり得る。今後も注意してみていく必要がある」と話す。

 

この「予兆がない噴火が発生して、専門家たちが驚いている」ということで思い出したのは、今年 6月に、千島列島で 95年ぶりに噴火したライコーク(ライコケ)火山の噴火でした。

以下の記事でご紹介していますが、この噴火も「まったく前兆のない噴火」で、ロシアの専門家たちを驚かせたと報じられていました。

千島列島のライコーク火山が95年ぶりに大噴火。噴煙の高さは1万3000メートルに達する。そして、これは「まったく前兆のない」噴火だった

 

下の写真は、 NASA の人工衛星から撮影されたものですが、このように、このライコーク火山の噴火の様相はすさまじいものでした。

2019年6月22日 噴火した千島列島のライコーク火山


NASA

 

ライコーク火山と浅間山の位置は以下のようになります。

「予兆がない中で噴火した」浅間山とライコーク火山

Google Map

 

あるいは、通常の火山の噴火とは違う現象ですが、台湾でも、7月に、

「突然、泥火山が噴火した」

ということを以下の記事でご紹介しています。

台湾南部の農村地帯で「泥火山」が突如噴火。地質活動の活溌化の予兆か

この泥火山の噴火が起きたのが 7月8日でした。そして、その1ヶ月後の 8月8日、この台湾では、マグチュード6.0の地震が発生しています。

泥火山の場所と、8月8日の地震の震源はまったく離れていますけれど、同じ国の領域で起きたことではありました。

2019年8月8日 台湾の地震での各地の震度


taiwannews.com.tw

2019年7月8日 台湾・万丹で噴火した泥火山


ettoday.net

 

もちろん、これらそれぞれに関係があるというようなことではないですが、「予兆のない噴火」という共通の出来事が、日本周辺で起きているということが気になった次第でした。

いずれにしましても、東アジアの地質的な状況は、比較的騒がしいままの状態となっているとは言えるのかもしれません。







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