2016年4月29日の報道より
北海道では、連休初日から激しい雪が降っていることが報じられていますが(いくら北海道でも、この時期に「大雪」が降るというのは非常に珍しいです)、南アジアから東南アジア全域で気配を見せていた熱波が、いよいよ大変なことになってきています。
先日まで、インドでの異常な熱波を記事でご紹介しました。
・インドの熱波は未知の領域「48.5℃」へ突入。その一方、ヨーロッパ各地は4月の終わりの大雪
2016/04/27
・インドで熱波の死者が160人を越え、当局は、現在「3億人以上」が危険にさらされていると発表。その熱波の中で、激しい雹嵐も各地で発生
2016/04/24
このインドでは、その後も熱波で死亡する人が増え続けていますが、その熱波が東南アジア全域も覆いはじめています。
タイでは、場所によって 45℃近い気温となっていて、すでに 20名以上が亡くなっていることが報じられています。
2016年4月29日の報道より
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タイを含めた東南アジアは人気の観光地でもあり、連休に旅行などに行かれている方もいらっしゃるかもしれないですが、全体として下のような過酷な気温状況となっています。しかも、下のは 4月27日のものですが、それからさらに気温は上がっているようです。
2016年4月27日の東南アジア各地の気温
2016年4月27日のタイのいくつかの都市の気温
・Thailand Business News
メーホンソンという場所では、4月28日に 44.6℃を記録し、これはこれまでのタイのすべての高温記録を上回るものだそうです。今までの記録は、1960年4月にウタラディットで記録された 44.5℃だったそうで、観測史上最高の気温を今年記録したということになります。
タイの人たちはエアコン大好きで、都市部では、密閉空間でないオープンドアの店などでもガンガンとクーラーを効かせているような生活をしているため、暑くなると電力使用量がすさまじいことになるのですが、今年、タイは、4月下旬に全国の電気使用量が過去最高を更新し後も、どんどんと最高使用量を更新し続けているようです。
また、現地の報道によれば、この暑さに伴って、干ばつも激しさを増しているようでして、タイ 25州の 114地区と 501の村が、干ばつによる緊急事態宣言を発令しています。
干上がった貯水地
他にも、先ほどの気温分布図にありますように、東南アジアの各地で過酷な暑さとなっていて、カンボジアとラオスで歴代最高の気温の記録を更新し、マレーシアやシンガポール、ベトナムでも過去最高気温記録に近づいているそうです。
今の状態のまま推移していった場合、人々の生活も大変かもしれないですが、さらに干ばつが進んだ場合、東南アジアは一大農業地帯でもあり、食糧事情に危機的な状況が訪れる可能性もあります。
ちなみに、ヨーロッパでは、季節外れの「寒さ」による「冷害」で、ワイン用のブドウなどが記録的なダメージを受けていて、暑さにしても、寒さにしても、農作物を荒廃させ続けています。