2016年4月28日のフランスの地震の震源
さまざまな場所で地震が起き続けています。
しかし、環太平洋火山帯やプレート境界線上などで発生する地震については、起きること自体が通常の現象であるのですが、環太平洋火山帯でもプレート境界線上でもない場所でも地震が発生し始めているとなると、やはり今は普通とは少し違う時代なのかなと思う部分もあります。
たとえば、ヨーロッパは、プレートの境界(ユーラシアプレートとアラビアプレートの境界)が走っているイタリアとかギリシャなどでは比較的地震がよく発生しますが、それ以外のヨーロッパでは、地震というものがほとんどありません。それは日本の何万分の1とか、あるいはもっと少ないと思いますが、そのヨーロッパで立て続けに地震が起きています。
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起きたのは次の地震です。
・2016年4月26日 震源オーストリア / ウィーン近郊 マグニチュード 4.4
・2016年4月28日 震源フランス / ラ・ロシェル近郊 マグニチュード 5.2
どちらの地震も負傷者などは報告されていません。
2016年4月26日のオーストリアの地震の震源
・EMSC
フランスのラ・ロシェル
・Express
どちらも日本の地震の概念から見れば、大きな地震ではないですが、フランスのマグニチュード 5.2 というのは、フランスにとっては「大地震」のレベルです。
たとえば、フランスがいかに地震がないかというと、これ以前にマグニチュード 5以上の地震が起きたのが、1972年のマグニチュード 5の地震。
マグニチュード 4以上でも、2005年にマグニチュード 4.5の地震があったのが最後のようです。なので、相当に希なことではあります。
マグニチュード 4から 5クラスの地震なら、日本では毎年すさまじい数が起きていますが、ヨーロッパの多くの国では事件なんですね。
オーストリアの 4.4はさらに小さな地震ですが、オーストリアもまた地震のない国で、地元のメディアによれば、マグニチュードを問わず、「小さな地震」が起きたのが、最近では 2013年に 1回、2015年に 1回だけ。
この国にも基本的に、地震という観念はほぼありません。
まあしかし、報道では、ウィーン大学の地質学者は、「オーストリアでも2万年に1度は、マグニチュード6以上の地震が発生する可能性はある」と述べていて、マグニチュード6以上が2万年に1度というのもすごいですが、その「2万年に1度」がいつかは誰にもわかりません。
なお、ヨーロッパには、ほぼ完全に耐震設計という概念はないですので、日本が頻繁に経験するような規模の大きな地震が来た場合、建物はほとんど残ることができないと思われます。
地球で本当に地震が増加していくのなら、もはや環太平洋火山帯とかプレート境界などの概念も関係なく発生していくものなのかもしれません。