今月はじめに、スペインのバリラ川という川が「蛍光グリーンに染まる」という出来事が、ヨーロッパで大きく報じられていました。
2017年3月3日のスペインの報道より
これは、スペインの飲料ボトル会社が調査のためだか誤ってだかがはっきりとしないのですが、いずれにしても「人為的」なものだったということで、もう少し詳細がわかったお知らせしようと思っていました。
ところが、その数日後に、今度はオーストラリアのウェストゲイト・パークという公園の池が「赤く染まる」ということが報じられていたのです。
2017年3月9日のBBCの報道より
・Why an Australian lake has turned pink
このように
「赤と緑」
が同時に起きているとなりますと何となく因縁めいていて、これはセットでご紹介しておきたいなあと思いまして、概要をお伝えしておきたいと思います。
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スペインの「緑の川」については、いろいろな報道を読んでも、どうもよくわからないのですが、下のようなことが書かれています。
・2016年5月にミネラルウォーターを販売するスペインの飲料会社の製品でノロウイルスの集団感染が起きた。
・今回の緑はその会社がおこなった「調査」と関係している。
どうして「調査」で川が緑色になるのか私にはよくわからないのですが、何しろ、自然の緑というより、写真を見ますと「蛍光グリーン」ですので、自然に囲まれた当地の住民の人々は相当驚いたということが報道では記されています。
・Río Valira se tiñe Color Verde Fosforescente en Seo de Urgel
何だかこうバスクリンみたいな感じで、自然な感じではないです。
スペイン・バリラ川の場所
・Google Map
当局は、「危険性はなく無害」と発表しましたが、飲料にも使用されている水域での出来事でもあり、不安を訴える人たちもいるようです。
それにしても、このことに関しては、ことの顛末が今ひとつわからない面があります。
オーストラリアの「赤い湖」に関しては、これは科学的に説明されていますが、やや不思議な部分もあります。
赤く染まったウエストゲートパー湖
・BBC
オーストラリア・ウエストゲートパークの場所
・Google Map
このウエストゲートパーク湖は、非常に高い塩分濃度を持つ湖で、その塩分濃度と関係して、雨が少ないこの時期には、湖の底にある藻類が光合成のプロセスの中で、赤色色素(ベータカロチン)を生成するそうです。
これがオーストラリアの科学者たちの見解です。
ただ、ウエストゲートパーク湖は「毎年、赤くなるわけではない」ことには注意が必要で、
「 2014年頃から赤くなるようになった」
のだそうです。
そういう意味では、「藻」だけの説明で足りるのかどうかは微妙ですが、いずれにしても、様々な作用で、この広大な湖は今年も「真っ赤」に染まっています。
いろいろな記事の中で、2016年に「世界中でいろいろな水が赤く染まっている」ことをお伝えしてきています。
いくつかリンクしておきますね。
2016年に「川や湖が赤くなった」ことについてご紹介した記事
・「中国の死海」と呼ばれる運城塩湖の水が突然「血の赤」に変色 (2016/10/03)
・メキシコの湖全域の水が真っ赤に変色 (2016/03/08)
・ロシア・ノリリスクで川が突然「真っ赤な血の色」に染まる。当局は「原因不明の物質によるもの」と発表 (2016/09/08)