2016年9月29日の報道より
中国山西省の運城市という場所にある「運城塩湖」という湖の水が「突然真っ赤に染まった」と報じられています。
冒頭の写真は、その塩湖の道路を隔てた左側の領域は赤く染まり、右側は緑に染まっているという光景を示しているものです。
赤くなったほうは下のような感じです。
運城塩湖の位置
・Google Map
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海や湖の水の色が変色するのは多くが藻類やバクテリアなどによりますが、この赤の変色に関しては、冒頭の報道によれば、運城塩湖の水が高塩分の水質ということで、塩分を好む藻類である「ドナリエラ・サリナ」というものが繁殖し、それとバクテリアが組み合わさり、水が赤く変色したと考えられるのだそう。
ただ、世界には、同じように赤、あるいはピンクに染まる湖の事例はありますが、そのすべてにおいて理由が完全にわかるというものではないです。
たとえば、オーストラリアには「常にピンクの水の色」をした、ヒリアー湖という湖があります。
オーストラリアのヒリアー湖
このオーストラリアのヒリアー湖は、常時ピンクなわけですから、その理由や原因はいつでも調べられそうなものですが、オーストラリア政府観光局のページには、
湖の色がピンクである理由は、完全には解明されていません。 科学者は、塩殻に生息する細菌が作り出す染料による色ではないかと推測しています。
とあり、水が赤やピンクになるメカニズムというのは、そんなに単純なものではないことがわかります。
まして、今回の運城塩湖は「区分された周囲の水は緑なのにも一区画だけ赤くなった」ということで、天候や気温などの環境条件が、ほぼ同じような状況下で、このような景観を見せているわけですので、なかなか謎ではあります。
今年7月には、イランの湖も突然赤く変色しています。
この際にも、理由は、高塩分と強い光の条件の下で藻類とバクテリアが反応したものだろうと推測されていましたが、このイランの時も周辺の他の湖は変色してはおらず、この湖だけが真っ赤に染まったのでした。
それぞれ探せば必ず合理的な理由はあるだろうにしても、世界中で次々と湖が「血のように」赤く変色していく様相にはいろいろと思うところもあります。