2016年9月30日のアイスランドの報道より
アイスランドにあるカトラ火山で 9月30日頃から、突然として群発地震が発生し始めており、冒頭のアイスランドでの報道にありますように、噴火に結びつく可能性が排除できないとして、当局よる警報が発令されています。
10月1日の日本時間午後の時点で、過去 48時間の地震の回数が 400回を超えるという大きなカウントになっています。
イエローアラートは上から3番目ですので、それほど緊急性の高い警報ではないですが、現時点では、カトラ周辺への旅行客などの立ち入りの禁止と、突然の噴火に備えた航空会社への注意勧告をおこなっています。
Sponsored Link
地震の分布は下のようになっていて、マグニチュード3以上の地震が、カトラ火山に集中しています。
2016年10月1日午後時点での過去48時間の地震(★はM3以上)
カトラ火山は、比較的よく噴火する火山で、小規模なものでしたら 2011年にも噴火しています(過去記事)。
しかし、問題は、カトラ火山が「大噴火」した場合で、カトラ火山の最後の大噴火は 1918年のことで、冒頭のニュースの写真がその時のものですが、 Wikipedia - カトラ火山に、
カトラ火山はアイスランドでもっとも危険といわれる火山の一つである。氷河の下にあるために噴火すると付近は大規模な洪水となる。
とありますように、「大洪水を伴う噴火」となるそうなのです。
カトラ火山は、ミールダルスヨークトルという氷河の下にある氷下火山です。
カトラ火山の1918年の噴火
・Wikipedia
カトラ火山はこのミールダルスヨークトル氷河の下に
・Wikipedia
また、やや資料が曖昧ながら、こちらの記事によりますと、「火山爆発指数(VEI)」という、火山の爆発規模の大きさを示す区分で、カトラ火山は過去に「 VEI 5」というレベルの噴火を起こしたこともあるということです。
VEI 5 の噴火といってもピンときませんが、他の火山の例と比べますと、以下のよにうなります(火山爆発指数より)
火山爆発指数(VEI)5の規模だった代表的な噴火
・79年 ポンペイの噴火(イタリア)
・1707年 富士山(宝永噴火 / 日本)
・1980年 セントヘレンズ山(アメリカ)
などがあり、世界で 50年に 1度程度の頻度のものです。とはいっても、最近は、チリで VEI 5 の規模間噴火が 2008年、2011年と立て続けに起きていて、少し様相も変わってきていますが。
その上の火山爆発指数レベルの噴火となりますと、代表的なものをひとつずつ挙げれば、
・VEI 6 → 970年頃 白頭山(中国/北朝鮮)
・VEI 7 → 130万年前 イエローストーン(アメリカ)
・VEI 8 → 7万3000年前 トバ火山(インドネシア)
という、カタストロフ的なものとなっていきます。
アイスランドのカトラ火山が、VEI 5 のような噴火を今後起こすとはあまり考えられませんが、環太平洋火山帯を中心として、火山活動が世界的に活発な状態ですので、噴火そのものは起きても不思議ではありません。