いよいよ危険なレベルに突入
少し前に、アメリカ最大人造湖であり、アリゾナ州やコロラド州など多くの人々に電力を供給しているミード湖の水位が発電可能なレベルの下限に近づいていることを以下の記事で取りあげました。
[記事] アメリカ最大の人造湖であるミード湖の水位低下が「電力供給可能レベルまであとわずか」までに低下。干ばつの進行状況から夏までもたない可能性も
地球の記録 2022年5月21日
それ以前には、同じコロラド川にあるパウエル湖の水位が過去最低レベルの水位となっていることも取りあげたことがあります。
[記事] アメリカ西部7州の500万人に電力と飲料水を供給しているパウエル湖の水位がダム建設以来の最低レベルとなり、電力供給危機に直面。連邦政府は緊急行動を検討
地球の記録 2022年4月17日
コロラド川、パウエル湖、ミード湖の位置関係
アメリカのこの地域の干ばつがさらに進行している中で、ミード湖の水位が、危険レベルである「 1050フィート (320メートル)」を突破したことが報じられていました。
以下は、2017年から 2022年までのミード湖の水位の比較です。
下の青い部分が今年です。5月の終わりに 1050フィートを下回ったことが示されています。
ミード湖の水位の年ごとの比較
mead.uslakes.info
アメリカの報道によれば、5月の 1ヵ月間で、ミード湖の水位は 7フィート (約 2.1メートル)低下したそうで、この地域では、今後もしばらくはまとまった雨は予想されてませんので、6月あるいは、それ以降の夏も、同じペースか、これ以上に水位が低下すると予測されているようです。
このまま水位が下がり続けた場合、ミード湖の水位が 950フィート(290 メートル)を下回るとフーバーダムの発電は完全に停止すると報じられています。
フーバーダムには、17基の発電タービンがありますが、現在の水位で稼働できるのは 5基のみで、湖の水位が 950フィートを下回ると、この 5基も稼働できないようです。
現在のミード湖の水位は、1050フィートを下回っていますので、あと 90フィート(約27メートル)ほど水位が下がると、この地域最大の発電システムが完全に停止する可能性があるということになりそうです。
今後の天候次第ではありますけれど、たとえば今後も現在のようなペースで水位が落ちていった場合、今年は大丈夫であったとしても、来年からはかなりは厳しいことになる可能性もあります。