大量死 最期の食糧危機 異常な現象

アメリカ最大の人造湖であるミード湖の水位低下が「電力供給可能レベルまであとわずか」までに低下。干ばつの進行状況から夏までもたない可能性も

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アメリカの西部を中心とした干ばつはいよいよ激しいものとなっていまして、農業への影響は最近ふれることがありましたが、いよいよ「電力供給そのもの」にダメージを与える可能性のある事態となっていることがわかってきました。

以前、コロラド川という、アリゾナ州、コロラド州、ネブラスカ州、ネバダ州、ニューメキシコ州、ユタ州、ワイオミング州などに水力発電の電力を供給している川にある主要な電力発電ポイントである「パウエル湖」という湖が、過去最低レベルの水位となっていることを以下の記事でご紹介しました。

 

[記事] アメリカ西部7州の500万人に電力と飲料水を供給しているパウエル湖の水位がダム建設以来の最低レベルとなり、電力供給危機に直面。連邦政府は緊急行動を検討
 地球の記録 2022年4月17日

 

今度は、同じコロラド川にある「ミード湖」というアメリカ最大の人工湖の水位が、「発電を維持できないレベルの瀬戸際」にまで水が低下したことが報じられていました。

位置関係としては、コロラド川、パウエル湖、ミード湖は以下のようになります。ミード湖は、ラスベガスのわりとすぐ東にあります。

コロラド川、パウエル湖、ミード湖の位置関係

 

黄色いエリアが、このコロラド川から電力供給を受けている地帯になると思われます。

このエリアの人口は、およそ 500万人です。

この中のミード湖の現在の水位は以下のようになっています。

・赤いライン 2020年の同時期の水位
・緑のライン 2021年の同時期の水位
・青のライン 現在の水位

となります。

ミード湖の水位

mead.uslakes.info

アメリカ西部の干ばつは、今に始まったことではないですが、今年 2022年は、2020年や 2021年よりもさらに厳しい状態となっていることがわかります。

なお、報道では、現在の水位のレベルでも稼働するフーバーダムの発電施設は、全 17基中 5基のみだそうで、水位が 950フィートを下回ると、稼働しなくなるのだそうです。つまりコロラド川下流域の電力供給が途絶する恐れがあります。

現在の水位の落ち方から見て、そして、今年のアメリカ西部は、ラニーニャ現象等によって、例年以上の雨不足が予測されていますので、そのレベルにまで水位が落ちる可能性はかなりあるようです。

 

[記事] ラニーニャ現象が終わらない : アメリカをはじめ世界の穀倉地帯の干ばつと異常気象がさらに厳しく継続する可能性。その先には「もはや食糧は存在しない」世界が
 In Deep 2022年4月5日

 

現在、食糧危機が迫っていることは、おおむね実感できている状況ですが、それ以前の話として、

「電力供給の危機」

という現代文明のインフラの基本中の基本が危うくなりつつあるのかもしれません。

エネルギー価格の高騰から考えれば、日本も例外ではないです。

この夏が暑くなるのかどうかはわからないですし、あるいは次の冬が寒くなるかどうかもわからないですが、そのようなことになった時に、もしかすると、主要国でさえ、電力供給インフラの部分的な崩壊が見られる可能性があります。

厄介なのは、場合によっては…ですが、「復旧できない停電が続く」可能性があることです。理由が事故や自然災害ではなく、「供給元が断たれる (今回の場合だとダムの水位)」ことにある上に、現在は、燃料価格がすべて高騰していて、そう簡単に代替の電力供給を見出すことは難しい気もします。

この数十年あるいは百数十年、それがあることが当たり前だと考えてきた電力供給そのものに変化が近づいている可能性があります。







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