社会では、「日常の殺菌習慣」がいまだに続いていますが、In Deep では「過剰な殺菌」というものについて、それが身体に対して非常に良くないということをよく取り上げていました。
たくさんありますけれど、以下のような記事がありました。
[記事]過剰な消毒がどのように小さな子たちを殺していくか
In Deep 2021年10月21日
[記事]過剰な消毒と殺菌が「人間の肺を破壊するメカニズム」がわかった
In Deep 2020年5月25日
パンデミック以前から、主要国での「過剰に衛生的な生活」が、社会に病気を蔓延させている原因ではないのかなとも思っていました。
それはともかく、最近、世界中で「小さな子どもの肝炎」が増加していることを取り上げたことがあります。
[記事] アメリカとヨーロッパで不可解な「幼児と子どもの重症肝炎」が多数発生中
投稿日:2022年4月19日
[記事] 小児の「原因不明の重症肝炎」の報告が世界十数カ国に拡大。子ども1人の死亡が確認される
投稿日:2022年4月25日
これに関しては、スパイクタンパク質の影響(母親などの大人からのワクチン mRNA の直接的な曝露)なのかなというように思っていたのですが、ふと見かけた論文から、そういう複雑な話ではなく、
「パンデミック中の過剰な殺菌が原因である部分もあるのでは?」
というようにふと思いました。
その論文は、
「慢性の肝炎は、腸内細菌環境と密接に関係している」
というものでした。
過剰な殺菌は、少しずつとはいえ「腸内細菌環境を壊す」ことが知られています。
実際、2021年1月には、カナダの微生物学者たちが、パンデミック以来、世界中で始まった「過剰な殺菌」が、子どもたちの身体に取り返しのつかないダメージを与える可能性について言及していました。
[記事]カナダの微生物学者たちが「パンデミックでの過剰衛生や社会的距離が特に子どもたちの腸内細菌環境に影響を与えており、長期間の重大な健康上の影響を残す」とした警告を発表
In Deep 2021年2月4日
この警告での最も大きな要因が、
「腸内細菌叢の構成が殺菌剤によって変化してしまう」
ことによる影響で、短期間で何かあるものではないですが、長期間にわたると、特に子どもが影響を受けやすいために、「非常に懸念される」と述べていました。
何ともいえないにしても、現在の小さな子どもたちの肝炎の原因の「ひとつ」には、これもあるのかもしれないと何なく思います。
ということは、「これからさらに顕著になっていく」ということかもしれません。
ワクチンもそうですが、長期間にわたる過剰な殺菌習慣もまた、「取り返しのつかない身体の損傷」と関係すると思われます。
腸内細菌環境と肝炎についての論文の冒頭の「概要」をご紹介します。
自己免疫性肝疾患における腸微生物叢および口腔微生物叢
Gut and oral microbiota in autoimmune liver disease
J-STAGE 2019年
概要
腸内細菌叢は、慢性炎症性肝疾患の発症に重要な役割を果たしている。
腸 - 肝臓軸には、肝臓の劣化を引き起こす炎症細胞、サイトカイン、およびその他の分子が含まれる。腸内毒素症は、特に自己免疫性肝疾患の発症に関連し、いくつかの肝疾患を理解する上で重要なものだ。
このレビューの目的は、自己免疫性肝疾患に関連する腸および口腔微生物叢の変化の現在の概要を提供することにある。
原発性胆汁性胆管炎(PBC)と自己免疫性肝炎(AIH)は、古典的には別個の自己免疫性肝疾患と見なされている。自己免疫性肝疾患は、遺伝的に影響を受けやすい個人の環境要因によって引き起こされると考えられている。
ゲノムワイド関連解析とマウスモデル研究により、自己免疫性肝疾患の知識が広がったが、疾患の病因は不明なままだ。
最近、培養に依存しないテクノロジーが、腸と口腔微生物叢の知識に革命をもたらした。このレビューは、自己免疫性肝疾患における腸および口腔微生物叢の概要を提供する。