2020年02月06日 午前9時
患者数 28,261人
死者数 565人
重症者 3219人
医学的経過観察対象者 186,354人
ここにきて、中国国内の統計がやや不自然になってきていまして、たとえば、新型コロナウイルスに感染しているかどうかを医学的に経過観察されている人の数が、昨日は、
・18万5555人
だったのですが、本日 2月6日は、
・18万6354人
と、約 800件増加しただけとなっています。
感染確認者数が昨日より 4000人近く増えていることを考えますと、この医学的経過観察対象者の数は、やや不自然です。
画期的な治療法や予防対策が出現しない限り、感染者あるいは経過観察対象者が「突然、減少する」ということはあり得ないため、すでに、中国での公式な統計数値はあまり現実を反映していないと思われます。
実際、日本のメジャーメディアでも、中国の公式発表の数値には疑念があるようで、2月6日の日本経済新聞は、「新型肺炎、収束に時間 感染者「武漢7.5万人超も」」という記事を掲載していましたが、この記事には、
> 英ランカスター大学の予測数はさらに多い。2月4日までに武漢市の感染者数が約20万人に達したと予測した。
という下りもあり、公式発表の数値は、いよいよ形だけのものとなっているのかもしれません。
なお、中国での感染拡大の状況を示すこととして、上海では、春節から続いている学校閉鎖を 2月末まで延長すると決定したことが報じられています。
中国以外では、日本が中国に次ぐ感染確認者数となりまして、2月6日の時点で、35人が感染確認されています。また、横浜市に停泊しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で、2月6日に新たに 10人の感染者が確認され、このクルーズ船だけで 20人の感染者がいることになります。これを合わせると、2月6日午前の時点で、45人の感染確認ということになるのでしょうかね。
この方々の全員が濃厚な接触をしていたわけではないでしょうし、このこともまた、新型コロナウイルスの感染力の強さを示していると思います。
このように、日本の感染者が 30人から 40人あたりになっていますが、中国で公式に患者数が 40人となったのは、1月19日頃で、その 10日後くらいには、患者数が 2000人を超えていましたので、日本の場合はどのようになるのか気になります。
中国での新型ウイルス患者数の推移
・ecdc.europa.eu
他の国においては、2月6日午前の時点では以下のようになっています。
・ヨーロッパ 26人
・アメリカ 12人
・日本 35人
・韓国 23人
・香港 21人
・台湾 11人
・オーストラリア 14人
などです。
アメリカ CDC は、今後、アメリカで大規模なアウトブレイクが起きる可能性を排除できないとして、新型コロナウイルスの試験キットを全米 100以上の公衆衛生研究所に送付を始めたと述べました。
アメリカで新型コロナウイルスの感染が確認された州
・CDC
日本での感染拡大の速度を見ましても、今後も世界的な感染拡大は続くと考えたほうが妥当だと思われ、また、以下の記事で書きましたように、感染経路は多彩ですので、なかなか予防措置は難しいとも思われます。
「どこからでも感染する」:中国の科学者が新型コロナウイルスを「ドアノブ」から検出し、スマートフォンを含むあらゆる日常品が感染経路となる可能性を警告。また、エアロゾル化した糞便による大気感染も懸念される
武漢では、以下の光景のような「街中を消毒する」という試みが行われているようですけれど、しかし、このようなことで感染を食い止めることができるのかどうかは微妙です(ビルの上階は? 密閉された室内は? など)。
https://youtu.be/SJ9R0xZaFKI
感染拡大の実際の状況は、中国の数値ではわからなくなってきていますので、今後は日本やアメリカなどの数値から推定するのがいいのかもしれません。