現在の生活での食糧の基本であるすべての穀物の価格あるいは先物価格が圧倒的な価格高騰を見せていますが、最近の記事では、今後の先行きもかなり険しいことを以下のような記事でご紹介しています。
ヨーロッパ最大の穀物輸出国のひとつであるハンガリーが「すべての穀物の輸出を禁止する」と発表
投稿日:2022年3月7日
肥料の原料「硝酸アンモニウム」の世界最大の輸出国であるロシアが、輸出を停止
投稿日:2022年2月28日
ロシアとウクライナの紛争の今後の展開にもよるのでしょうけれど、食糧問題は、すぐには好転しないような感じの出来事が続いています。
小麦やトウモロコシなどの先物価格が、実際の生活での販売価格に反映されるのは少し先でしょうが、食糧を扱うすべての業種と、そして個人は全体として影響を受けると見られます。
食糧の製造業や飲食業に関しては、石油などエネルギーの高騰もありますので、ただでさえ、この2年間の(意味のわからない)飲食業への締め付けがあった後だけに、本当に厳しいと思われます。廃業、倒産の本当の波がこれから本格的に始まってしまうのかもしれません。
そんな中、
「中国の冬小麦の収穫が史上最悪になる見通し」
であることが報じられていました。
日本は、中国からは小麦の輸入はしていないですが、世界全体の穀物供給の枯渇の中でのこととなりますので、さらに壊滅的な影響につながるのかもしれません。
米ロイターの報道と、エポックタイムズの報道をまとめていた米ゼロヘッジの記事をご紹介させていただきます。
中国が冬小麦の状態が歴史上最悪になる可能性があると述べ、食糧危機はさらに悪化する可能性
Food Crisis About To Get Worse After China Says Winter Wheat Condition Could Be Worst In History
zerohedge.com 2022/03/08
ロイター通信によると、中国の冬小麦の状態は「史上最悪」である可能性があると、中国の農業大臣が3月5日に述べ、世界最大の小麦消費者である中国の穀物供給について懸念を表明した。
中国政権の年次政治会議のオブザーバーである唐 仁健農業農村部部長(大臣)は、昨年の大雨により通常の小麦作付面積の約3分の1の作付けが遅れたと述べた。
冬が始まる前に行われた冬小麦の作物の調査で、第一期と第二期の作物量が 20%以上減少したことがわかった。
大臣は次のように述べる。
「私たちは詳細な調査を行いました。その結果、多くの農業専門家と技術者たちは、今年の作物の状態が中国の歴史上で最悪であるかもしれないと述べています。今年の穀物生産は確かに大きな困難に直面しています」
エポックタイムズが指摘しているように、大臣のこのコメントは、世界の小麦輸出の約 30%を占めるロシアとウクライナ間の戦争が供給を混乱させ、小麦価格が過去最高レベルに急騰している中で、中国の穀物供給に関する懸念を強調している。
農業大臣は、強力な政策と技術支援、および穀物の作物状態の改善により、中国は夏の穀物収穫は豊作になることを確実に行えると確信しているという。
ウクライナ危機に後押しされ、中国の小麦価格は今週、国内供給不安で記録的な高騰を見せた。
中国政府は、食糧安全保障に焦点を合わせており、これは、2020年初頭に COVID-19 のパンデミックが始まって以来、食糧安全保障は、政策においてますます目立つようになった中央指導部の長年の優先事項だ。
中国の国家計画担当者たちは、議会会議での独自の報告書で、近年の連続した豊作にもかかわらず、穀物供給は依然として厳しいことを報告している。この問題に対処するために、国家発展改革委員会(NDRC)の報告書は、中国が年間の穀物作付面積を 1億1,733万ヘクタール以上に保つことを保証すると述べた。
また、大豆やその他の油糧種子作物の生産を増やすと国家発展改革委員会は述べ、生産増加が中国農業部門における最優先の政策であることを繰り返した。同国はまた、トウモロコシの生産量を増やすための勢いも増すだろうとも述べている。
中国のトウモロコシの輸入は、国内価格の高騰と在庫の減少の中で、昨年記録的に急増した。国家発展改革委員会によると、中国は、備蓄と輸入を有効に活用することで、穀物、食用油、綿花、砂糖、肥料の需給バランスを保証する。
財務省は別の報告書で、中国は 2022年に農業保険料に 416.39億元(65億9000万ドル / 約 7400億円)の補助金を割り当て、前年比 30.8%増加すると述べた。
李克強首相は議会会議の冒頭で、中国は今年、穀物を含む主要な農産物の供給を確保することを宣言した。
首相は、中国の人々に安全な食糧が供給されるように全員が協力しなければならないと述べた。