火山噴火と地震活動 異常な現象

イタリアのエトナ山から規則正しい形状で噴出され続ける「奇妙な噴煙のリング」の数が史上最高数レベルに

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livescience.com




ほぼエトナ山だけに出現する奇妙な煙のリング

イタリアのエトナ山で、最近、

「毎日、多数のリング状の噴煙が噴出されている」

ことをライブサイエンスが伝えています。

冒頭の写真もそうですが、以下のようなものです。


livescience.com

 

思い出しましたのは、7年くらい前にも、エトナ山で、同じような「煙のリング」が多数噴出していることが報じられていたことでした。

(記事) 空気砲と化した火山 : イタリア・エトナ山の噴煙が「リング」に変わった瞬間
 地球の記録 2016年12月24日

 

その際のリングの動きとしては、以下のような感じです。

2016年のエトナ山のリング

Atmospheric Phenomenal

 

この「リング」は、エトナ山では見られる現象ですが、他の火山では、ほぼこのような現象は見られないですので、なぜエトナ山だけで? ということは言われていました。

エトナ火山の場所

 

ライブサイエンスでは、そのメカニズムを説明しているのですが、それだけでは完全な説明とは言えない面もないではなさそうです。

いずれにしても、今また史上最高数レベルで、このような「渦のリング」が噴煙の噴出口から噴出し続ける光景が観測されているようです。

ここからライブサイエンスの記事です。





世界で最も活発な火山の一つが奇妙な煙の輪を噴出している

One of the world's most active volcanoes is spewing out weird rings of smoke
livescience.com 2023/07/27

エトナ山の特異な噴出口からは、煙と火山ガスでできた数十の円形の輪が毎日噴出している

ヨーロッパで最も活発な火山であるエトナ山は、最も活発な火口の 1 つにある単一の噴出口から、毎日多数のエーテルの「渦の輪」を吹き出している。

7月23日、シチリア島に拠点を置くイタリア国立地球物理学・火山学研究所の火山学者ボリス・ベンケ氏は、この火山がボッカ・ヌオーヴァ火口の単一噴出口から「数十のガスリングを放出していた」とツイッターに投稿した。 現象は、1週間ほど続いているが、止まる気配はない。

この渦の輪は、火山噴火口から高速で放出される煙、水蒸気、その他のガスの混合物から作られる。それらは最終的に消滅するまで、数分間空中に留まることがある。

火山学者のボリス・ベンケ氏は、「このようなガスリングは、(マグマだまりの上の)狭い導管内でのガスの泡の爆発によって生成され、ガスが高速で地表に向けて噴射される」とベンケ氏はツイッターで書いた。

「導管壁に沿った磨耗により、導管の中心に比べてガスジェットの動きが遅くなり、それがリング形状を形成すると思われる」と彼は付け加えた。

エトナ山は世界中のどの火山よりも多くの渦の輪を生成するとベンケ氏は書いている。

エトナ山は、ほとんどの年にこのガス状の輪を噴出しているが、輪の数は毎年異なる。2000年には、エトナ山は記録上最多となる約 5,000個の煙の輪を噴出したが、現在の放出量はその当時と同様であるとベンケ氏は述べた。

このようなリングは、シチリア島のすぐ北の島にあるストロンボリ山など他の火山でも観察されている。しかし、他の場所では珍しい。

エトナ山の渦輪の秘密は、おそらくボッカ・ヌオーヴァ・クレーター内の噴出口の下にある導管の形状にあると考えられている。

科学誌サイエンティフィック・リポーツに 2月9日に掲載された研究では、研究者たちはコンピューターモデルを使用して渦リングをシミュレーションし、完璧な形状のリングが形成されるには、マグマ導管の上部のガス泡からの高速ガス放出と、渦の形状の規則性の組み合わせが必要であることを発見した。

エトナ山で最近発見された異常な活動の兆候は、渦のリングだけではない。

7月20日、ボッカ・ヌオーヴァ火口に新たな噴出孔が開いたとベンケ氏はツイッターで書いた。この穴は、あたかも呼吸しているかのように開口部からガスがリズミカルに脈動しているように見えるため、「呼吸口」として知られている。

火山の噴火を追跡するサイト「ボルケーノ・ディスカバリー」によると、7月10日と 7月14日に火山の南東火口で一時的に小さな灰の雲を噴き出す 2つの小規模な噴火も確認された。

しかし、最近のこれらの活動はいずれも大規模な噴火が差し迫っていることを意味するものではないとベンケ氏は書いている。







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