パリでカフェの客のグリーンパスをチェックして回る警察。 Antony Paone
ヨーロッパで最も厳しいワクチンパスポート制度をいち早く採用したイタリアとフランスですが、イタリア政府は、その規制を拡大することを発表しました。
すでにイタリアでは、8月6日から、美術館、スタジアム、劇場、ジム、パブやレストランを含めたほぼすべての屋内座席スペースに入るには、グリーンパスと呼ばれる証明書が必要ですが、9月1日からは、
「教師、大学生、および長距離の公共交通機関」
に拡大すると政府が発表したと伝えられています。
鉄道や長距離バスを利用するためには、グリーンパスが必要となり、また、今後、教師や大学生もグリーンパスがないと学校に入ることができないようです。
なおフランスでは、パリなどの街で、カフェなどを利用しているお客さんたちに対し、「グリーンパスを携行しているかどうか」の警察によるチェックが行われていることが報じられています。フランスでは、警備員や鉄道の職員たちが、利用客のグリーンパスを確認している様子も伝えられています。
これらの国でのワクチンパスポート制度が、口だけのものではなく、非常に厳格に実施されていることが示されています。
ヨーロッパの他の国がどうなっていくのかはわからないですが、仮に、今後、海外からの観光客をヨーロッパ諸国が受け入れるようになったとしても、何をするにもマスクとワクチンパスポートが必要という国々になる可能性もあります。
それが永続的なものになるかどうかはわかりません。
というのも、以下の記事などで記していますが、ワクチン接種がどれだけ拡大しても、感染状況が終息する可能性は見えていないからです。
英国の感染確認数が過去半年で最大となり、死者数は過去三ヶ月で最大を記録する中、「コロナ重症患者の大半が二回のワクチン接種を受けた人たち」であることが露呈
投稿日:2021年7月22日
以下のように、フランスは過去三ヶ月で最大の感染確認数を上回り続けており、イタリアでも上昇し続けています。
Daily new confirmed COVID-19 cases per million people
この両国とも、人口全体のワクチン接種率は 66%に達しています。
ワクチン接種により事態が変化するという可能性があまりないことがわかります。
イタリアについての報道をご紹介します。
イタリア、公共交通機関にワクチンパスポートを導入
Italy to introduce vaccine passports for public transport
Reclaim 2021/08/09
イタリアでは、新しいヘルスID をめぐり継続的なデモが起きているが、その中で、政府は公共交通機関の乗客にワクチンパスポートを義務付けた。
9月1日から、イタリア政府は、教師、大学生、および長距離の公共交通機関を利用する人々には、すべて「グリーンパス」が必要になると発表した。
イタリアのグリーンパスは、フランスで論争の的となっている健康証明書と同様に、COVID-19 ワクチンを少なくとも 1回接種したか、検査で陰性であったか、あるいはコロナに感染して回復したかを示すデジタルまたは紙の証明書だ。
イタリアでは、8月6日から、美術館、スタジアム、劇場、ジム、パブやレストランの屋内座席スペースなど、ほとんどの商業および文化施設で身分証明書が必要になっている。
企業がこの規制を実施しなかった場合、顧客と会場は 400ユーロから 1,000ユーロ(約 5万円〜12万円)の罰金を科せられる可能性がある。規則に違反することが多い企業や機関は、当局によって最大 10日間、閉鎖されるリスクがある。
イタリアの保健相は、「ロックダウンを回避し、自由を守る」ために、学校や公共交通機関を含めたグリーンパスによる規制を拡大する決定がなされたと述べた。