現在、国際的な小麦の先物価格が、ほぼ史上最高値の位置まで来ています。
いろいろな状況から今後も価格は厳しい局面が続くと見られます。
そのような中で、日本の小麦の自給率は 14%程度しかなく、他はすべて輸入ですが、現状では、
・アメリカ 49%
・カナダ 34%
・オーストラリア 17%
（日清製粉のデータ）
となっているのですが、日本の最大の小麦輸入国であるアメリカとカナダの収獲の先行きがどうも微妙なことになっていることは以下のような記事で書かせていただきました。
［記事］ ５月の北米で異常な寒さが続き、カナダとアメリカの一部では作付けが5月になっても始められず、アメリカでは穀物備蓄が大幅に低下する予測も
投稿日：2022年5月7日
そして、残るオーストラリアなのですが、現時点でどうこう言える時期ではないのですけれど、こちらもどうも気候が不安定です。
今年 3月に、オーストラリアのニューサウスウェールズ州で大洪水が発生したことを以下の記事で取りあげました。
［記事］ オーストラリアのニューサウスウェールズ州で、大洪水のために農作物全体に記録的な損失
投稿日：2022年3月19日
今度は、そのニューサウスウェールズ州の北に位置するクイーンズランド州で、「季節外れの豪雨」で洪水被害が出ていることが報じられていました。
ニューサウスウェールズ州とクイーンズランド州
報道には、
＞ クイーンズランド州の一部では 48〜 72時間で 3〜4か月分の雨が降った。
とありますので、かなりの大雨だったようです。
報道では、農業への影響はふれられていませんが、これだけ悪天候が繰り返されると、地域的に見れば、まったく影響がないということにはならない感じはします。
結局は、後になって結果が出てみないと、いろいろとわからないのですが、食糧の問題は厳しくなる一方にも感じます。
気候が改善してくれるといのですが。
オーストラリアの報道をご紹介します。
季節外れの大雨がオーストラリアのクイーンズランド州を襲う
Unseasonably heavy rain hits Queensland, Australia
watchers.news 2022/05/11
オーストラリアのクイーンズランド州の大部分で、季節外れの大雨と洪水が発生し、州の一部では 48〜 72時間で 3〜4か月分の雨が降った。
ブリスベン市では数世帯が停電を経験したが、クイーンズランド州沿岸部では洪水により約 300の道路区間が切断された。
クイーンズランド州緊急サービス（SES）は、100件を超える支援要請に対応したと述べた。
マッケイの北にあるマウントオッサの洪水では、3人を乗せた車が流された。 50歳と 30歳の 2人の乗客はなんとか車から逃げ出し、現在は安定した状態にあるが、 31歳の女性の運転手は溺死した。
クイーンズランド州ブリスベン市の沿岸地域では、24時間で 100 mm以上の降雨が記録され、重大なレベルでいくつかのダムが上昇した。
5月10日の夜の 6時間で 191mmの降雨を記録し、タウンズビルの南にあるメジャークリークでは、わずか 24時間で 233 mmの降雨が記録された。
サウスジョンストーンでは、72時間で 313.2 mmの雨が記録された。これには、24時間で 191.4 mmの降雨記録も含まれる。これは、1964年以来の観測記録で、5月の 24時間降雨量で最大だ。
タウンズビル空港は、24時間で 102 mmの雨を記録した。これは、5月の月平均の降雨量の 3倍であり、5月としては、過去 2番目に多い。
クイーンズランド州北東部の厳しい気象警報は 5月11日に解除されたが、複数の集水域では大規模から中程度の洪水警報が引き続き実施されている。
ハウトン川では大規模な洪水警報が出されており、ボール川では中程度の洪水警報が出ている。クイーンズランド州中部と東部では洪水注意報が発令されている。
クイーンズランド州の北部、中部、南部の内部では激しい雷雨が発生する可能性があり、今日と明日（5月11日と 12日）は鉄砲水が発生する可能性がある。風害も発生する可能性がある。
クイーンズランド州の降雨はニューサウスウェールズ州北部の河川水位の上昇を長引かせると予想されているが、当局はノーザンリバーズ地域でのさらなる洪水の予想はしていない。