先日、以下の記事で、北米の広い範囲で、5月だというのに、雪や異様な低温に見舞われていることをご紹介しました。
[記事] 5月の北米で異常な寒さが続き、カナダとアメリカの一部では作付けが5月になっても始められず、アメリカでは穀物備蓄が大幅に低下する予測も
投稿日:2022年5月7日
これにより、アメリカの小麦の収穫あるいは備蓄が低下する懸念も起きていますが、今すぐにこの低温が解消されたのなら、まだ間に合うのですが、上でご紹介しました海外の記事には、
> 5月の第 3週までに種蒔きや作付けが始まらなければ、それはゲームオーバーを意味する。
とありまして、今後の状況が気になるところですけれど、カナダのメディアで、現在の気温と「今後の予測」が報じられていました。本当に寒い日が続いているようです。
その報道は、カナダのブリティッシュ・コロンビア州にあるプリンスジョージという市の地域メディアです。
プリンス・ジョージ市
Google Map
プリンスジョージでのふだんのこの時期の日中の気温(午前11時)は、平均で 16℃なのだそうですが、5月6日は「 2℃」だったそうです。
また、「ほとんど太陽が出ない」日々が続いているようで、いずれにしても、農作にはあまり適さない日々のようです。
予測では、今週の終わりからは気温が上昇するのではないかと述べられていますが、「1週間以上先の気温を正確に予測するのは難しい」とも書いています。
今後 1週間ほど、この異様な寒さが続くようで、カナダの農作物の収穫にも悪影響が出る可能性があるかもしれません。ただ、カナダも干ばつに苦しんでいますので、雨が続いていること自体は、干ばつの解消には役立っているとも思います。
日本の小麦は、86%が輸入されるもので、そのうちアメリカとカナダが全体の 8割以上を占めます。
日本の小麦輸入国ランキング
nisshin.com
北米、カナダのこの季節外れの寒さが、小麦などの生産に今後も影響を与えた場合、日本の小麦獲得はかなり厳しいものになるかもしません。
カナダの報道をご紹介します。
カナダのブリティッシュ・コロンビア州全体で季節外れの寒さが続くと予想される
Unseasonably cold weather expected to continue throughout B.C.
princegeorgecitizen.com 2022/05/06
5月に雪の混乱…と書くと、冗談を書いていると思われるかもしれないが、私たちのプリンスジョージでは、今ではそれが本当になっている。
それは5月6日の朝、プリンスジョージ市の一部で起こっていた。そこでは、雨と雪が混ざり合い、今年のこの時期の寒さと不快さについて、みんなが一斉に不満を述べた。
今日、私たちは、ブリティッシュ・コロンビア州の大部分を覆っている堅固な雲に覆われ、最高気温 5℃の状態を経験している。これは、アルバータ州で停滞している低気圧システムの結果だ。
この季節外れの寒さは少なくとも 5月10日まで続くと予想される。しかし、最終的には暖かさが戻ると予想されているので、今は楽観的になってほしい。
夏至がわずか約 6週間先になっているが、5月6日の午前11時のプリンスジョージ市の気温はわずか 2℃であり、夏の天候は遠いようだ。
カナダの気象学者イーメイ・リー氏は、「この時期の 2℃はかなり低い気温です。この時期のプリンスジョージの平均気温は約 16℃です」と言う。
「太陽が出ないため、日中の気温がそれほど上昇していません」
この季節外れの気温はプリンスジョージだけでなくブリティッシュ・コロンビア州全体がこの冷たい気団の下にある。しかも、5月だけの話ではなく、4月も同じだった。
現在、カナダ西部のこれらの気象を作り出しているのは、少なくとも来週の初めまで続くアルバータ州の低気圧だ。それが暖かい大気がブリティッシュ・コロンビア州に入るのを妨げている。
5月8日のプリンスジョージの気温は、最高気温が 8℃、夜の最低気温は、氷点下 2℃まで下がると予想されている。降水確率は 60%だ。
5月10日頃からは、晴天の日もあると思われ、終末にかけて、最高気温は 12℃から 14℃くらいに上がるだろう。
気象学者は、以下のように述べる。
「気温の上昇にはもう少し時間がかかり、来週の終わり(5月15日前後)には少し暖かくなるかもしれませんが、予想も、6日を超えると実際に気温がどうなるかを正確に予測することは難しいです。それでも、次の週末に気温が上昇するというする可能性はかなり高いです」
私たちには気温が上昇してくれることを希望することしかできない。
5月6日のバンクーバー空港での夜間の最低気温は 7℃で、この時期の過去 20年間で最低だった。ケロウナの 5月8日の予想最高気温はわずか 11℃で、通常より 10℃近く低い。