ワクチン接種率が非常に高い国については、継続的にその後の状況を見ていますが、世界でも有数の高いワクチン接種率を誇る国にアイスランドがあります。
人口 35万人のこの国では、全人口のワクチンの二回接種率は 82%に達しており、接種年齢層の接種率は、ほぼ 100パーセントに近いと見られます。また、アイスランドは、「ブースターショットの接種率」も世界最高峰で、人口の 57%がブースターショットを受けていることがデータからわかります。。
そのアイスランドは、今年の夏以来、何度かの「急激な感染数の増加」に見舞われていまして、最初は 7月、次は、11月でした。
この 11月の急増はアイスランドのパンデミック期間中の感染確認数を常に最高値を更新し続けました。以下の記事で取りあげています。
世界最高峰のワクチン接種率を誇るアイスランドが再び感染者数過去最大を大幅に更新
投稿日:2021年11月11日
そのアイスランドでまたも「感染者数の急増」が起きています。
しかも、前回の波よりはるかに高いものとなっています。
12月20日には、人口 35万人のこの国で、1日の新たな感染者数が、658人を記録しました。
アイスランドの新たな感染確認数の推移
ourworldindata.org
7日移動平均でも、過去の記録を大幅に上回り続けています。
先ほどリンクしました記事の前回 11月では、10万人中の感染確認数が、350人を超えるものとなっていたのですが、12月23日の時点で、10万人中の感染確認数が、850人を超える事態となっています。
同じ日の日本の 10万人中の感染確認数は 2人未満(1.46)ですので、日本の 560倍ほどの感染数となっています。
以下は、人口 10万人あたりの感染者数の推移(7日移動平均)です。参考までに、日本と、最近感染者数の著しい増加が伝えられている韓国のグラフを載せています。
現在のアイスランドがいかに激しい増加となっているかがおわかりになるのではないでしょうか。
12月23日の人口10万人あたりの1日の新たな感染数の比較
・アイスランド 850人
・韓国 124人
・日本 1人 (正確には 1.46)
アイスランドがこのようになってしまった理由は、同国が「ブースターショット接種率」で世界最高クラスにあることと関係していると思わざるを得ません。
以下の記事のイギリス政府のデータがそれを示していますが、少なくともオミクロン株は、ブースター接種をした人が極端に感染率が高いのです。
個人的には、オミクロン云々ではなく、ブースター接種を受けた人は自然免疫に重複的なダメージが与えられることになることで、すべてのコロナ株に感染しやすくなっていると思われます。
イギリス国家統計局のデータは「オミクロンに感染した比率はブースターショット接種者が極端に高い」ことを示す。欧州の感染急拡大の理由はこれかも
投稿日:2021年12月26日
なお、12月20日の報道の時点で「ブースターショット接種率が高い国」は以下のようになっています。
ブースター接種率が上位の国
・アイスランド 55%
・チリ 51%
・イスラエル 45%
・ウルグアイ 42%
・英国 40%
・オーストリア 37%
これらの国の今後の感染数にも注目したほうがいいかもしれません。
いよいよブースターショットを起点とする第3ラウンドが始まったようです。
長い混乱となるかもしれません。