ヨーロッパの感染拡大は、いよいよ無制御になってきているようで、先日、以下の記事で取りあげましたギリシャでは、「厳しい行動制限の導入」が 11月5日になされていますが、その後さらに状況は悪化しています。
感染数が過去最大を更新し続けるギリシャが、ワクチン未接種者に対して新たな厳しい行動制限を規定。ヨーロッパはどこもメチャクチャですが、その状況も
投稿日:2021年11月5日
その後の1週間ほどで、ギリシャでは新たな感染者数がさらに増加し続けており、11月9日には、過去最大を大幅に上回る 1日の新たな感染者数 8969人を記録しています。
また、上の記事で取りあげました、クロアチア、ハンガリー、アイルランドなどのすべての国や地域で、過去最大を更新し続けています。
その中で注目すべきは、アイスランドです。
人口 35万人と小さな国ながら、保健衛生のシステムは非常に優れた国であり、ワクチン接種率は、82%に達しています。
この 82%という数字は、接種可能な年齢層のほぼすべてがワクチン接種を完了しているといっていいものだと思われますが、11月9日に、
「新たな感染者数が過去最大を更新した」
ことが示されていました。
以下は、人口 100万人あたりの新たな感染者数の推移です。
比較のために、「日本」のグラフも添えています。
アイスランドは、今年 7月に感染者数が急増し、その時点でも、世界で最高レベルのワクチン接種率でしたが、指数関数的な感染拡大を示していました。
以下の In Deep の記事でも取り上げています。
日本でのADEの修羅場の到来時期が、イスラエル、アメリカ、あるいは、アイスランド等のワクチン優等国の状況からわかってきた
In Deep 2021年8月23日
以下がその時のグラフで、8月21日までの、感染数、ワクチン接種率などを示したグラフです。
ourworldindata.org
この際には、アイスランドでの入院率や集中治療室への搬送率も大幅に上がっていました。
今回の感染拡大では、入院や集中治療室への搬送は前回ほどは出ていないですが、人口 35万人程度の国で毎日 100人以上の新たな感染確認者が出ているというのは、なかなか大変なことだと思います。
なお、1日の単位としましては、11月8日に、316人の新たな感染確認数が記録されていて、
・国民のワクチン接種率 82%
・人口 35万人
というところから考えますと、相当な事態だとは思います。
実は、前回の 7月からの感染拡大では、
「アイスランドの新たな感染者のほとんどがワクチン接種者」
でした。
ワクチン接種率の高さから見ても、つまり成人のほぼ全員が接種しているといえる部分からは、これは当然のことなのですが、「今回も同じと見られる」と思われます。
つまり、
「ワクチン接種者が、何度も何度も感染している」
という可能性が出てきています。
これが感染増強抗体のためなのか、現在ヨーロッパで主流になりつつある「ワクチン免疫を回避する」コロナ変異株のせいなのかはわからないですが、
「現実として、現行のワクチンは感染抑制に何の役にも立っていない」
ことが明確になる状況を示しているとは思います。
ヨーロッパを席巻しつつある「アルファ変異株」というものについては、 In Deep の以下の記事をご参照いただければと思います。
ヨーロッパを過去最悪の感染状況に陥れている「アルファ変異株」と「デルタ変異株」のどちらが覇者になるかはわからなくとも、どちらにもワクチン中和抗体は効かない。つまり「これからが本番」
In Deep 2021年11月7日
アルファ株が優勢であるヨーロッパの国は、その後も感染拡大がとどまる気配を見せていません。
以下は、アルファ変異株 B.1.1.7が特に多く検出されているヨーロッパの国の感染確認数の推移です。
スロバキアやオーストリアは過去最大を大幅に更新し、チェコやハンガリーも過去最大に近づいています。
アルファ変異株 B.1.1.7 が50%以上の国の感染数の推移 (パンデミック全期間)
ourworldindata.org
先ほどのアイスランドの例でもわかりますように、もはや、感染拡大とワクチン接種率はまったく関係なくなっており、そして、過去のどの期間よりも激しい感染数の急上昇に見舞われる国が多くなっています。
そして、問題なのは、自然感染であるなら、感染するたびに抗体ができて守られるのですが、ワクチン接種では、自然抗体ができない可能性があり、「何度感染しても、その後も何度も感染する」という可能性が高いことです。
なお、コロナ(正確にはスパイクタンパク質)に感染あるいはワクチン接種でスパイクタンパク質を得ると「獲得免疫のシステムが消える」メカニズムが、スウェーデンの研究で示されています。
以下の記事で取りあげています。
免疫を失うメカニズムがまたひとつ : スウェーデンの研究が、スパイクタンパク質は V(D)J組換えと呼ばれる「獲得免疫の根本システムを阻害」することを示す。自然感染、ワクチン共に
In Deep 2021年11月1日
この免疫の機能停止の度合いが、スパイクタンパク質の「量」に依存するものかどうかはわからないですが、仮に量に依存するとすれば、自然感染の 1000倍などのスパイクタンパクを生成することが知られている mRNA ワクチンを接種した場合、「どうやっても複数回の感染は免れない」ということもあり得るのかもしれません。
接種した場合は、感染増強抗体の働きもあり、感染するたびに重症化するリスクも伴ってしまうということもあります。
時間が経過すればするほど危険性が高まるものとも言えます。
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