2023年5月12日の英大手メディアのウェールズ・オンラインの報道より
walesonline.co.uk
「超過死亡の増加の理由はまったくわかりません」
先日、英国の超過死亡数が、2023年になっても、まったく上昇傾向が変わらないことについて、以下の記事で書かせていただきました。
[記事] 英国の累積超過死亡数が22万人を超えるまでの2019年からの道のり
投稿日:2023年5月16日
英国の累積超過死亡数の 2019年から現在までは以下のような累積の推移となっていまして、累積のデータの場合は、「グラフが平行線を描いた時に増加は止まっている」と見なされると思いますが、上昇は止まっていません。
2019年から2023年までの英国の累積超過死亡数の推移
David Dickson
これについて、最近のイギリスの複数のメディアが、
「英国で超過死亡が増えているが、その理由がまったくわからない」
とした論調の記事を報じています。
専門家も含めて本当にわからないのだとすれば、すさまじいお花畑ですが、そうではないはずです。
2021年にあれだけの接種キャンペーンを推進した原動力のひとつが、大手メディアであったわけで、仮に、「その原因が何となくわかったとしても」今さら、そんなことに言及はできない、という姿勢が、英国だけではなく、日本のメディアなどでも推し進められています。
この傾向は今後もあまり変わらないと思いますが、今回は、冒頭の英ウェールズ・オンラインの記事と、そして、この報道に対してコメントをしていたカナダの医学者であるウィリアム・マキス博士の記事をご紹介させていただこうと思います。
まずは、ウェールズ・オンラインの報道からです。
さらに数万人の英国人が過剰に死亡している - しかし専門家はその理由がわからないと言う
Tens of thousands more Brits are dying - experts not sure why
walesonline.co.uk 2023/05/12
2022年12月の英国の超過死亡数は 5,900人で、これは 5年間の平均を 13.5%上回っている。
予測されたよりも数万人多くの英国人が亡くなっているが、専門家たちはその原因や理由がわからないと述べる。2022年5月から 12月までのイングランドとウェールズの超過死亡者数は 32,441人だった。
この数字には新型コロナウイルス関連の死亡は含まれていない。
「超過死亡」とは、過去 5年間の平均を超えて死亡した人の数として定義されるものだ。
同年のパンデミックにより死亡者数が急増したため、死亡率のカウントは2020年を除いて算出されている。この期間の英国家統計局(ONS)の統計によると、生存すると予想されていた人々が 3万2000人以上亡くなったという。
このような数字は、英国の人口に何が起こっているのか、どのように変化しているのか、そしてその背後にある理由についていくつかの疑問を引き起こしている。
超過死亡数は新型コロナウイルス感染症以降、月ごとに大きく変動しており、過去 5年間の平均を下回ったり、あるいはそれを大きく上回ったりしている。
これにはさまざまな理由が考えられるが、超過死亡が急上昇したり急落したりするという背後にあるものは明らかではない。
オックスフォード大学の人口学名誉教授であるデビッド・コールマン教授は、昨年を通じてこれほど多くの死者が発生した原因を正確に知る者は誰もいなかったとミラーに語った。
同氏は、新型コロナウイルス感染症後の英国の人口は、ウイルスによるかなりの割合の高齢者の死亡によって変化したと指摘した。
同氏は、超過死亡の急増に寄与する可能性がある 2つの重要な理由、つまり英国の高齢化と平均体格指数の増加という事実を強調し、コールマン教授は以下のように述べた。
「人口の高齢化が進んでおり、英国の人口はヨーロッパで最も肥満傾向であり、特に心臓病や糖尿病などの病気にかかりやすい傾向にあります。新型コロナウイルスとは別に、この国は非常に不健康なため、死亡率はさらに悪化すると予測している人もいます」
多くの超過死亡の背後にある注目された原因の1つは虚血性心疾患であり、これは人口の肥満化に関する教授の警告と一致する。
同様に、2022年の大半の期間における主な死因を見ると、認知症とアルツハイマー病であり、人口の高齢化と死亡が増加するという理論をさらに裏付けている。
しかし、人口の高齢化がさらに進んでいることが、このような問題を引き起こしているにしても、昨年 5月から 12月にかけて通常より 3万人以上多くの人が死亡した理由は完全には説明されていない。
今年の 3月と 2月には、不明確な症状、兆候が超過死亡の主な原因となっており、その前の 1月にはインフルエンザと肺炎だった。
そして年間を通して、「他の原因」が超過死亡の主な原因として劇的に浮上している。特に夏の間は暑さが戻り続けており、気候変動を考慮すると、このような致命的な脅威は今後も続くことになる可能性がある。
2022年 12月の超過死亡数は 5,900人で、5年間の平均を 13.5%上回っている。しかし、なぜこのような超過死亡が起こったのかについてはまだ完全には説明されていない。
依然として数万人の英国人が死亡しているが、彼らがなぜ死亡したかについて明確な説明はない。
ここまでです。高齢化を理由としていますが、「高齢化は 2022年になって突然進んだのかよ」という話です。
こういう報道を読んでいますと、パッチ・アダムス医師の表情となってしまいます。
この英国の記事に対してのウィリアム・マキス博士の記事です。
英国の超過死亡
Excess Deaths in the UK: 10,000 More Brits Are Dying. Experts Not Sure Why
Dr. William Makis 2023/05/19
英国の主流メディアがこの興味深い記事で認めている超過死亡数を見てみたいと思う。
「2022年5月から12月まで」イングランドとウェールズでは32,441人の超過死亡があった」
これは、1か月あたり 4,055人、または年間 48,661人が死亡していることになる。
「2022年12月の超過死亡者数は 5,900人だった」
このまま推移すれば、 2023年に向けて年間 70,800人になると推定される。
イングランド (5,706 万人) とウェールズ (321 万人) の人口は、合計 6,027万人だ。これは、2022年に、イングランドとウェールズで約 1000人に 1人が「超過死亡」として死亡した計算になる。
新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が高度に行われているすべての国では、2022年には人口 1000人に約 1人程度の超過死亡率が見られた。
以下の通りとなっている。
米国 – 2022 年に 270,000人 (リンク)
ドイツ – 2022 年に 103,000 人(リンク)
英国 – 2022 年に 54,000 人 (リンク)
日本 – 2022年に 91,000人 (リンク)
オーストラリア – 2022年に 42,000 (リンク)
カナダ – 2022年に 49,900人 (リンク)
超過死亡は 2023年に向けて加速する
英国の 2022年の超過死亡数は 48,000人で、2023年には 71,000人に達するという超過死亡の加速が、イギリスの主流メディアがたとえ説明を拒否したとしても、それが現実として起こっていることを認めている。
医師、看護師、警察官、スクールバスの運転手、パイロットたちなどの突然死など、若者たちの「突然死」事件が加速しているのを私は目の当たりにしている。
これらは超過死亡であり、心停止、脳卒中、肺塞栓症、脳出血、動脈瘤、発作、敗血症、ガン、その他突然の病気にかかりやすい症状を起こしている健康な若者たちを見てきた。
米国の 0~ 24歳の超過死亡のデータ分析では、0歳から 24歳までの若者の超過死亡が 2023年初頭に向けて前例のない形で加速していることを示している。
過去 6か月を見てみると、私たちは前例のない領域にいる。