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太陽活動極小期の巨大黒点AR2738は、そのサイズを地球の2倍にして接近中。しかし、活動のパワーは高くない模様

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2019年4月13日の太陽黒点AR2738


Philippe TOSI




 

先日、以下の記事でご紹介しました、久しぶりに太陽に出現した巨大黒点活動領域「 AR2738 」は、その後も成長を続け、現在、その面積は地球サイズの2倍ほどに拡大しています。

活動極小期の太陽に久しぶりに「地球サイズ」の巨大な黒点が出現。これから地球方向に進んできます

黒点 AR2738は、もうじき地球に完全に向く方向に回ってきていまして、4月13日の時点では、この黒点は以下の位置にあります。

 

NASA の太陽観測衛星による撮影では、以下のようになっています。


NASA / SDO

このようにサイズだけは非常に大きくなっている黒点 2738ですが、黒点の構造の詳細もわかってきました。

スペースウェザーの記事によれば、黒点の磁気の構造が比較的単純なために、規模の大きな太陽フレアはおそらく発生しないのではないかとしています。

一般的に、巨大な太陽フレアは、磁気の構造が複雑な黒点から発生することが多いのですが、今回の黒点は、比較的単純な磁気の構造をしているそうです。

そんなこともあり、発生するとしても、Bクラスの太陽フレア程度までなのではないかと。

太陽フレアの規模は、上から、

・Xクラス
・Mクラス
・Cクラス
・Bクラス
・Aクラス

となっていまして、このうちBクラスまでは非常に弱い太陽フレアであり、フレアが発生したとしても、地球へは、ほぼ何の影響もないと考えられます。

実際、データを見ましても、この1週間、Bクラスより強いフレアは一度も発生していません。

次の2、3日で、この黒点は「完全に地球方向に向いてくる」ことになりますが、現状の磁気構造では、巨大フレアなどが発生する確率は相当低いようです。

地球に向いている時期を過ぎてみないと何ともいえないとはいえ、非常に面積の大きな太陽黒点ではありますけれど、巨大な太陽フレアの発生などによる脅威の可能性は、かなり低くなったといえそうです。

それにしても、サイズだけはとても大きいのに「活動はほとんどしない」というあたりは、最近の太陽活動を物語っているかのようでもあります。







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