何だか、最近、世界中でいろいろと奇妙な自然現象が起きているのですが、特に不思議だったと思いましたのは、アメリカのカンザス州で、
「数千頭の牛が突然死亡する」
ということがあったことでした。
たった 2日間の間に、それほど大量の牛が突然死亡したのです。
死亡した牛の数は、当初、2000頭だったのですが、さらに拡大しているようで、最大で 1万頭にのぼる可能性が報じられています。
これは、日本でも報じられていましたが、「猛暑が原因ではないか」としていました。専門家は「夜間に冷却していなかったためではないか」と述べています。
確かにその 2日間、被害が最も大きかったカンザス州のユリシーズという地域は気温が高く、日中は 37- 40 ℃、夜間の最低気温は 21℃でした。
しかしこれは、「 6月としては異常な暑さ」ではあるのですが、しかし、カンザス州のこのあたりでは、夏になれば、このくらいの気温は……まあ、普通とは言わないまでも、夏の気温は高い地域です。まして最低気温が 21℃なら、熱帯夜でさえない。
「それで死んじゃう?」
とは思いました。
また、こちらのアメリカの記事では、
実際に牛を飼育している畜産農家の人に話を聞いていますが、
「熱波や猛暑などで牛が死亡する場合は、何日もかけて、ゆっくりと死んでいく」
と述べていて、たった 1日、2日で、数千頭の牛が一気に死亡するということは考えられないと述べていました。
そのようなこともあり、アメリカでは、この牛の大量死が猛暑によるものと考えている人は少ないようです。
では、何が原因かというと、それはわかりようがありません。
スペインも現在、猛暑なのですが、
「大量のツバメが生きたまま焼け焦げて地面に落ちてくる」
ということに関するニュースを米ニューズウィークが報じていました。
スペインのこの地域も、最高気温 37℃などを記録しているのですが、これもまた「 6月としては異常に暑い」というだけで、夏になれば、その程度の気温にはなり得ますので、そうだと、夏になるたびにツバメが焼け焦げて空から落ちてくるということになり、しかし、そういうようなことはあまりないと思うのですが。
こちらも不思議な出来事です。
世界のいくつかの地域では、 6月としては異常に暑い、あるいは、6月としては異常に寒いところもあり、異様な気温状況であることは確かだとしても、起きていることがどうも奇妙です。
カンザス州の牛の大量死についての報道をご紹介します。
カンザス州で何千頭もの牛が不思議な状況で死亡する
Thousands of cattle die under mysterious circumstances, Kansas
watchers.news 2022/06/17
カンザス州ユリシーズで、過去 2日間で推定 2,000頭以上の牛が死亡した。
この牛の大量死は、熱波、高湿度、夜間の冷房不足が原因であると説明されているが、多くの人たちはそれが原因ではないのではないかと推測している。
死亡した牛の正確な数も不明だ。
カンザス州保健環境局の報道官は、報告された死亡数は少なくとも 2,000頭であると述べているが、その数を 10,000頭と位置付けている調査者もいる。カンザス州全体の最終的な牛の死亡数は今後わかってくるだろうと述べている。
この牛の大量死は複数の飼育場で発生したが、ほとんどはユリシーズ周辺に集中している。
ユリシーズの気温は 6月11日に 37°Cを超え始め、6月13日までに 40°Cに上昇した。湿度のレベルは 18〜 35%の範囲だった。
カンザス州立大学の獣医 A.J. ターポフ氏によると、熱ストレスによる肥育場で牛の死亡は毎年 6月頃に始まるようだという。夜間の冷却の機会がない場合、牛は熱ストレスで死ぬ可能性があるとターポフ氏は述べている、この状況は肥育場と放牧動物の両方に打撃を与える可能性があると付け加えた。
しかし、今回死亡した数は異常に多いように思われるため、気温と気象条件だけが原因ではないのではないかと多くの人たちが推測している。
カンザス州には 240万頭以上の牛がおり、米国で 3番目に大きな牛の飼育州だ。
ここまでです。
関係ない話ではありますが、このカンザス州というのは、アメリカ有数の「小麦の生産地帯」でもあります。
6月からこの暑さですと、干ばつはさらに進んでいるかもしれません。以下の記事にありますように、すでにカンザス州は、極端な雨不足により、小麦の育成状況が良好ではありませんでした。
[記事] アメリカで小麦生産量が最も多いカンザス州やテキサス州の冬小麦収穫が、雨不足により過去最低レベルになる見通し。しかもカナダからの肥料の流入も停止中
地球の記録 2022年3月22日
夏に至るまでこのような高い気温と少雨が続いた場合、干ばつ状況が壊滅的になる可能性もあります。
アメリカの小麦の状況はさらに厳しいものとなっていくかもしれません。