シンガポールは、世界の中で、最もコロナワクチン接種率の高い国のひとつとして知られていて、ワクチン接種率は 80%ほどに達しています。データでは、1回接種が国民の 79%で、2回接種が 77%となっていますので、1回目を接種した人のほとんどが、2回目も受けているようです。
そのシンガポールで、新たなコロナ感染者の数が、
「過去最高を記録」
しました。
以下のように、これまで最高だった 2020年4月を超えて、これまでにない記録へと進んでいます。
シンガポールの感染数(7日移動平均)の推移
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死者数についても、2020年の最大値を大きく超えた数となってきておりまして、ワクチン後の惨状が少しずつデータで示されているということなのかもしれません。
シンガポールにおいては、もはや、以下のふたつの大義名分は、どちらも機能していません。
・感染拡大の防止
・重症化の予防
この状況で、シンガポール政府は「ブースターショット」を開始したことが報じられています。
シンガポールで3回目のコロナワクチン接種開始
人口の8割以上が新型コロナウイルスのワクチン接種を完了しているシンガポールで、60歳以上の高齢者などを対象に3回目のワクチン接種が始まりました。
シンガポールではワクチン接種を終えた人が人口の80%を超え、世界的にも高い水準となっています。
ただ変異ウイルス「デルタ株」の影響などで、先月下旬ごろから市中感染が増加傾向にあり、シンガポール政府は14日から、60歳以上の高齢者や介護施設の入居者などへの3回目のワクチン接種を開始しました。
ファイザーやモデルナのワクチンの2回目の接種から半年から9か月経過した人が対象で、放射線治療を受けているがん患者など免疫機能が著しく弱い人にも接種を行うということです。
東南アジアでは、タイ政府も中国・シノバック製の2回目のワクチン接種を今年5月までに終えた人を対象に、イギリス・アストラゼネカ製のワクチンで3回目の接種を行う方針を明らかにしています。 (TBS NEWS 2021/09/17)
ブースター接種が始まると、どうなるかというのは、以下の記事にありますように、世界に先駆けてブースターショットを始めたイスラエルがよく示しています。
イスラエル : 重要な祝日であるユダヤの新年に過去最高を大きく上回る1日2万人超の感染数が記録される
投稿日:2021年9月10日
このように、「さらに死者数を増加させる」という傾向が拡大しました。
イスラエルの追加接種と死亡事例の推移
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実際、今後は、変異種あるいは単なる風邪コロナウイルスを含めて、感染の主軸は接種された方々になっていくと思われます。
以下の日本の事例でも、それがすでに現れている感じです。
ここでは、25人中 24人となっていますが、これは 2回接種した人たちで、残る一名も 1回接種している方と書かれていて、つまり「 100%」です。
25人中24人がブレイクスルー感染 群馬の病院でクラスター
群馬・伊勢崎市の病院で、25人が新型コロナウイルスに感染するクラスターが発生した。
このうち24人は、ワクチンを2回接種した「ブレイクスルー感染」だった。
クラスターが発生した伊勢崎市の病院では、20日から22日までに、10代から80代の入院患者17人と職員8人のあわせて25人の新型コロナウイルスの感染が確認された。
このうち24人は、ワクチンを2回接種し、2週間が経過してから感染が確認されるブレイクスルー感染で、1人は1回接種していた。
24人のうち2人が中等症で、22人が軽症だという。 (FNN 2021/09/23)
日本もそろそろシンガポール並みの接種率に近づいていますので、3ヶ月後あたりはいろいろなことになりそうです。