米 CDC (疾病予防管理センター)の「ワクチン有害事象報告システム / VAERS」のデータの最新情報を定期的にご紹介しています。
前回分は以下になります。
[定期]アメリカの9月10日までのワクチン接種後の有害事象報告は 70万件超、死亡例は 1万4925件。接種率の高い州で感染拡大と死亡事例が急増中
現時点で最新の CDC の有害事象の全体の報告数、死亡報告数、重症報告数のそれぞれの前回からの 1週間の推移は以下のようになります。
・有害事象報告 70万1561件 → 72万6965件(前週から 2万5404件増加)
・死亡事例報告数 14,925件 → 15,386件(前週から 461件増加)
・重症事例報告数 9万1523件 → 9万9410件 (前週から 7,887件増加) データ
まず、若い世代の有害事象報告です。
若い世代の有害事象が急激に増えているのは、この世代の接種が進んでいることが関係あるのかもしれません。
十代の有害事象と死亡事例
・12歳から17歳の有害事象報告 14,609件(データ) 前回 13,996件
・12歳から17歳の重症事例 1,124件 (データ) 前回は 996件
ワクチン接種年齢の下限が 12歳まで変更されたことに伴い、「 9- 12歳」の有害事象報告が増加し続けています。
・9歳から12歳の有害事象報告 734件(データ) 前回は 695件
以下は、12歳から17歳の重症の事例の報告数と、死亡事例です。
・12歳から17歳のアナフィラキシー事例報告 2,559件 (データ) 前回は 2,406件
・12歳から17歳の心臓障害の事例報告 455件 (データ) 前回は 412件
・12歳から17歳の血液凝固障害の事例報告 91件 (データ) 前回は 83件
・12歳から17歳の「死亡」事例報告 21件 (データ) 前回は 18件
12歳から 17歳の死亡事例は 3人増え、21件となっています。
以下は、 12歳から17歳のアメリカでの死亡事例の詳細です。ID 番号のリンク先に詳細な個別臨床データページがあります。
2021年9月17日までの12歳から17歳の 21人の死亡事例詳細
・15歳 / 女性 / ニューハンプシャー州
[症状]アナフィラキシー反応、心停止
[接種から死亡まで] 1日 (ID 1187918)・16歳 / 女性 / ウィスコンシン州
[症状]心停止
[接種から死亡まで] 11日 (ID 1225942)・15歳 / 男性 / コロラド州
[症状]心不全
[接種から死亡まで] 2日 (ID 1242573)・16歳 / 男性 / カリフォルニア州
[症状]死亡(原因不明)
[接種から死亡まで] 48時間以内 (ID 1382906)・16歳 / 男性 / ジョージア州
[症状]胃腸穿孔、状態悪化、死亡
[接種から死亡まで] 4日 (ID 1386841)・13歳 / 男性
[症状]インフルエンザ様疾患、死亡
[接種から死亡まで] 2日 (ID 1406840)・16歳 / 女性 / ペンシルベニア州
[症状] 胸痛、血球貪食性リンパ組織球症、心嚢液貯留、長期入院、死亡
[接種から死亡まで] 73日 (ID 1420630)・13歳 / 男性 / ミネソタ州
[症状] 小脳出血、 心停止、死亡
[接種から死亡まで] 17日 (ID 1431289)・13歳 / 男性
[症状] 死亡
[接種から死亡まで] 不明 (ID 1463061)・13歳 / 男性
[症状] 心臓肥大、 心筋炎、死亡
[接種から死亡まで] 0日 (ID 1429457)・16歳 / 男性 / カリフォルニア州
[症状] 死亡
[接種から死亡まで] 27日 (ID 1466009)・16歳 / 男性 / ペンシルベニア州
[症状]死亡
[接種から死亡まで]6日 (ID 1475434)・15歳 / 男性 / ニューヨーク州
[症状]失神、心室性頻脈、死亡
[接種から死亡まで]4日 (ID 1498080)・13歳 / 女性 / メリーランド州
[症状]心室頻拍、死亡
[接種から死亡まで]27日 (ID 1505250)・13歳 / 女性
[症状]死亡
[接種から死亡まで]不明 (ID 1655100)・16歳 / 女性 / ウィスコンシン州
[症状]肺塞栓症
[接種から死亡まで98日 (ID 1694568)・16歳 / 男性
[症状]自死
[接種から死亡まで]8日 (ID 1576798)・15歳 / 女性
[症状] 無力症、脳死、心停止
[接種から死亡まで]27日 (ID 1592684)・13歳 / 男性
[症状] 多臓器不全、敗血症性ショック
[接種から死亡まで]3日 (ID 1633205)・15歳 / 男性
[症状] 死亡
[接種から死亡まで]4日 (ID 1668800)・14歳 / 男性
[症状] 肺水腫、心不全
[接種から死亡まで]38日 (ID 1690103)・16歳 / 男性
[症状] 心停止、心室細動、腸虚血
[接種から死亡まで]6日 (ID 1702154)
なお、アメリカのカリフォルニアでは、12歳以上に「ワクチン接種義務」が発令され、接種していないと「学校に登校できない」ということになりました。
ロサンゼルスで12歳以上の生徒にワクチン接種が義務化 対象は63万人
約63万人の生徒を抱える米カリフォルニア州ロサンゼルスの教育委員会は9日、12歳以上の生徒に対して対面授業に出席する場合にはワクチン接種が必要であることを投票によって可決した。
AP通信によれば、授業に出席することを希望する生徒は12月19日までに接種を終えることが必要。学校のスポーツ活動に参加している生徒は10月末までとしている。 (Sponichi Annex 2021/09/10)
次に全体です。
全体の有害事象事例
毎回見ている「ベル麻痺(顔面麻痺の一種)」「流産、早産」「アナフィラキシー反応」は、以下のようになっています。
「流産・早産・死産」が急激に増えています。
・ベル麻痺(顔面神経麻痺) 5,608件(データ) 前回 5,289件
・流産・早産・死産 2,013件 (データ) 前回 1,766件
・アナフィラキシー反応 190,937件(データ)前回 185,076件
「血栓、血液凝固あるいは血小板減少」の報告は以下のようになっています。
・血栓 / 血液凝固 / 血小板減少 20,099件(データ) 前回 18,804件
ギランバレー症候群は以下のようになっています。ギランバレー症候群の報告数の増加幅も大きくなっています。
・ギランバレー症候群 1,188件 (データ) 前回 1,072件
アメリカでは死亡例の増加に歯止めがかからなくなっており、9月に入ってから、ほぼ毎日、過去半年間の死亡事例数を更新し続けています。
アメリカ合衆国の 1日の新たな死者数の推移(2021年3月22日から9月22日)
ourworldindata.org
普通に考えれば、コロナとは関係なくとも、これから冬になりますと、さまざまな呼吸器感染症などが流行し始めますので、事態がそう簡単に収まっていくような兆しはありません。