米 CDC (疾病予防管理センター)の「ワクチン有害事象報告システム / VAERS」のデータの最新情報を定期的にご紹介しています。
前回分は以下になります。
[定期]アメリカの9月3日までのワクチン接種後の有害事象報告は 67万5593件、死亡例は 1万4506件。アメリカでは今後約一億人にワクチン接種が義務化されるとホワイトハウスが発表
以下は、現時点で最新の CDC の有害事象報告データです。
有害事象の全体の報告数、死亡報告数、重症報告数のそれぞれの前回からの 1週間の推移は以下のようになります。
・有害事象報告 67万5,593件 → 70万1561件(前週から 2万5,968件増加)
・死亡事例報告数 14,506件 → 14,925 件(前週から 419件増加)
・重症事例報告数 8万8,171件 → 9万1523件 (前週から 3,352件増加) データ
まず、若い世代の有害事象報告です。
若い世代の有害事象が急激に増えているのは、この世代の接種が進んでいることが関係あるのかもしれません。
十代の有害事象と死亡事例
・12歳から17歳の有害事象報告 13,996件(データ) 前回 13,291件
・12歳から17歳の重症事例 996件 (データ) 前回は 949件
ワクチン接種年齢の下限が 12歳まで変更されたことに伴い、「 9- 12歳」の有害事象報告が増加し続けています。
・9歳から12歳の有害事象報告 695件(データ) 前回は 640件
以下は、12歳から17歳の重症の事例の報告数と、死亡事例です。
・12歳から17歳のアナフィラキシー事例報告 2,406件 (データ) 前回は 2,257件
・12歳から17歳の心臓障害の事例報告 412件 (データ) 前回は 385件
・12歳から17歳の血液凝固障害の事例報告 83件 (データ) 前回は 80件
・12歳から17歳の「死亡」事例報告 18件 (データ) 前回は 17件
12歳から 17歳の死亡事例が 1人増えて、18件となっています。
以下は、 12歳から17歳のアメリカでの死亡事例の詳細です。ID 番号のリンク先に詳細な個別臨床データページがあります。
2021年9月10日までの12歳から17歳の 18人の死亡事例詳細
・15歳 / 女性 / ニューハンプシャー州
[症状]アナフィラキシー反応、心停止
[接種から死亡まで] 1日 (ID 1187918)・16歳 / 女性 / ウィスコンシン州
[症状]心停止
[接種から死亡まで] 11日 (ID 1225942)・15歳 / 男性 / コロラド州
[症状]心不全
[接種から死亡まで] 2日 (ID 1242573)・16歳 / 男性 / カリフォルニア州
[症状]死亡(原因不明)
[接種から死亡まで] 48時間以内 (ID 1382906)・16歳 / 男性 / ジョージア州
[症状]胃腸穿孔、状態悪化、死亡
[接種から死亡まで] 4日 (ID 1386841)・13歳 / 男性
[症状]インフルエンザ様疾患、死亡
[接種から死亡まで] 2日 (ID 1406840)・16歳 / 女性 / ペンシルベニア州
[症状] 胸痛、血球貪食性リンパ組織球症、心嚢液貯留、長期入院、死亡
[接種から死亡まで] 73日 (ID 1420630)・13歳 / 男性 / ミネソタ州
[症状] 小脳出血、 心停止、死亡
[接種から死亡まで] 17日 (ID 1431289)・13歳 / 男性
[症状] 死亡
[接種から死亡まで] 不明 (ID 1463061)・13歳 / 男性
[症状] 心臓肥大、 心筋炎、死亡
[接種から死亡まで] 0日 (ID 1429457)・16歳 / 男性 / カリフォルニア州
[症状] 死亡
[接種から死亡まで] 27日 (ID 1466009)・16歳 / 男性 / ペンシルベニア州
[症状]死亡
[接種から死亡まで]6日 (ID 1475434)・15歳 / 男性 / ニューヨーク州
[症状]失神、心室性頻脈、死亡
[接種から死亡まで]4日 (ID 1498080)・13歳 / 女性 / メリーランド州
[症状]心室頻拍、死亡
[接種から死亡まで]27日 (ID 1505250)・13歳 / 女性
[症状]死亡
[接種から死亡まで]不明 (ID 1655100)・16歳 / 男性
[症状]自死
[接種から死亡まで]8日 (ID 1576798)・15歳 / 女性
[症状] 無力症、脳死、心停止
[接種から死亡まで]27日 (ID 1592684)・13歳 / 男性
[症状] 多臓器不全、敗血症性ショック
[接種から死亡まで]3日 (ID 1633205)・15歳 / 男性
[症状] 死亡
[接種から死亡まで]4日 (ID 1668800)
次に全体です。
全体の有害事象事例
毎回見ている「ベル麻痺(顔面麻痺の一種)」「流産、早産」「アナフィラキシー反応」は、以下のようになっています。
・ベル麻痺(顔面神経麻痺) 5,289件(データ) 前回 5,107件
・流産・早産・死産 1,766件 (データ) 前回 1,669件
・アナフィラキシー反応 185,076件(データ)前回 178,895件
「血栓、血液凝固あるいは血小板減少」の報告は以下のようになっています。
・血栓 / 血液凝固 / 血小板減少 18,804件(データ) 前回 18,174件
ギランバレー症候群は以下のようになっています。
・ギランバレー症候群 1,072件 (データ) 前回 1,014件
ギランバレー症候群のメーカー別の発生数は、
ファイザー社 593件
モデルナ社 245件
ヤンセン社 218件
となっています。
アメリカでのワクチン接種率は、州によってかなり異なりますが、現在、アメリカで最も「高い」ワクチン接種率を誇るのが、バーモント州(人口62万人)です。
・成人の 88%が少なくとも1回のワクチン接種
・成人の 79%が2回のワクチン接種
という、世界的に見ても、シンガポールなどと並ぶワクチン接種率の高さですが、そのバーモント州は、現在、アメリカで最も感染者が急増している州のひとつとなってしまいました。
バーモント州の感染確認数の推移
NY Times、 ianmSC
また、CDCのデータを見ますと、バーモント州は、9月15日に、1日としては過去最大の死亡数を記録しています。
以下は、パンデミック全期間(2020年1月23日 - 2021年9月16日)でのバーモント州の新たな死者数の推移です。
接種率の高いハワイなども大変なことになっていますが、これから冬に入るにつれて、この傾向はさらに高まるのかもしれません。