太陽活動と宇宙 異常な現象

天の川銀河の中心から「これまで知られていない未知の信号」を検出したとオーストラリアの研究者たちが発表。性質は今のところ不明

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ASKAP




 

少し前に知ったのですが、いろいろと日々起きる中で、書く時がなかったのですけれど、最近、オーストラリアのコーネル大学の研究者たちが、

「天の川銀河の中心から、これまで知られていない未知の信号を検出した」

ということが報じられています。

現時点では、以下にプレスリリースとしてあります。

Discovery of ASKAP J173608.2-321635 as a Highly-Polarized Transient Point Source with the Australian SKA Pathfinder
オーストラリアの SKA パスファインダーによる高度に偏光された過渡点光源としての ASKAPJ173608.2-321635 の発見
arXiv.org 2021/09/02

何だかわからないタイトルですが、「 SKA パスファインダー」というのが電波望遠鏡で、今回発見された信号の名称が、「 ASKAPJ173608.2-32163 」ということになるようです。

じきに正式な論文が発表されるものと見られます。

それを報じていたアメリカの記事です。


天の川銀河の中心からの不思議な無線信号が検出される

既知のものと一致しないため、この放出物の性質は不明。

Mysterious radio signals from the center of the Milky Way are detected
Entrepreneur Media 2021/09/09

近年何か明らかになったことがあるとすれば、それは、地球の外で(あるいは地球の中でも)何が起こっているのかを、実際には私たちはほとんど知らないということだ。

最近、オーストラリアの研究者たちが、天の川銀河の中心から来る不思議な新しい無線信号を検出した。まったく未知の信号だ。

この信号の技術名は ASKAPJ173608.2-321635 とされた。

科学者たちはまだそれが何であるかを知ることができていない。信号は 2020年1月から 9月の間に 6回検出され、今年 2021年の 2月7日まで再び現れた。

この発見に関する研究リリースで、研究者たちは、それが「高度に偏光され、可変で、急峻なスペクトルの電波が強い」と説明している。

「この ASKAPJ173608.2-321635 は、ラジオ画像研究を通じて発見されている新しいクラスのオブジェクトの一部である可能性がある」と著者は記している。

どのようにして兆候を発見したのか?

オーストラリアの電波望遠鏡スクエア・キロメーター・アレイパス・ファインダー(ASKAP)が、この発見に貢献している。この ASKAP は、直径 12メートルの 36本のアンテナがセットになり、それが1つとして機能しているもので、世界で最も感度の高いアンテナの 1つになる。宇宙の磁気を分析し、ブラックホールを特定し、銀河の起源を探求するために設計されたものだ。

この信号は、銀河中心電波過渡現象(GCRT)といくつかの特性を共有している。これは、2000年に発見された別の不思議な信号で、これも天の川銀河の中心から放出された。


 

この「銀河系」というものに関しては、この数年いろいろなことが起きていまして、In Deep などでご紹介することがよくありましたが、今はコロナで、さっぱりふれることもなくなりましたけれど、まあ、今回のような「銀河中心からの未知の信号」というのは、久しぶりです。

信号とは異なりますけれど、最近では、2019年に「銀河系の中心にある超大質量ブラックホールが、突然通常の75倍明るく輝く」という現象が観測されています。

以下の記事で取りあげています。パンデミックが始まる 4ヶ月ほど前ですね。

宇宙で不可解な異変 : 私たちの銀河系の中心にある超大質量ブラックホールが、突然「通常の75倍明るく輝く」という事象が発生。理由は不明
In Deep 2019年8月17日

また、2012年には、銀河の中心から「太陽の 400万倍のエネルギーのフレア(爆発現象)が観測された」ことを以下の記事で取りあげたことがあります。

天の川銀河の中央から「太陽の 400万倍のエネルギー」の超巨大フレアが放たれたことが確認される
In Deep 2012年11月08日

2015年にも、「観測史上最大の爆発」が銀河系で起きています。

天の川銀河の中心で何かが起きている?:銀河中心部で観測史上最大の爆発現象が観測される
In Deep 2015年01月07日

観測データから構成した天の川銀河の全景 (2009年 / NASA)

NASA

なお、これは、ごく一部の専門家たちが指摘しているに過ぎない主張ですが、

「現在、太陽系は、銀河系の最も中心部に近づいている」

ということについて、ハンガリー・ブダペスト工科経済大学の科学者の論文を以下の記事でご紹介したことがあります。

こちらは、パンデミックが始まる 3ヶ月ほど前の記事で、迫っていたころですね。

太陽系は、現在「銀河系の最も中心部に近づいて」おり、地球を含む太陽系は非常に高いエネルギーが支配する宇宙の領域に突入するとハンガリーの科学者が警告
In Deep 2019年9月26日

実際のところはわからないですが、現在の地球は、銀河系の中の位置において、「かつて経験していないようなエネルギーを受けている」という主張でした。

そして、今回を含めて、この数年、繰り返し観測される銀河の中心からの信号というものがどういう性質なものなのかは今はわかりません。

なお、10年くらい前のマヤ文明などのブームだったころに、マヤ文明の神話でこの銀河中心は「フナブクー」と呼ばれていたことを知りました。

古代のマヤ文明では、銀河の中心は、特別なエネルギーを発する特別な場所であり、神的な概念と関係するものだったようです。

今はこんな時代の状況ですが、何かの変化と関係してくるというようなことはあるのですかね。







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