2019年2月24日のイタリアの報道より
イタリアで 2月23日、おそらく同国が経験したことのないような暴風が全土にわたり吹き荒れました。
突風で耐え折れた巨木
その日の、イタリアの暴風の状況は以下のようになっていまして、全体として、時速 100キロメートル以上の激しい風が吹き荒れていたようです。
2月23日のイタリア各地の瞬間最大風速
しかし、他の報道によれば、場所により「時速 200キロメートル」の瞬間最大風速が記録されたことが報じられています。
この時速 200キロメートルという風がどの程度のものなのかは、暴風雨に関しての世界基準の「カテゴリー」と比較するとわかります。
これは、台風、ハリケーン、サイクロンその他を含む暴風雨に適用されます。
最大瞬間風速の強さの世界的な基準
カテゴリー1 時速 118 – 152 キロメートル
カテゴリー2 時速 153 – 176 キロメートル
カテゴリー3 時速 176 – 208 キロメートル
カテゴリー4 時速 209 – 248 キロメートル
カテゴリー5 時速 249キロメートル以上
現在の基準では、カテゴリー 5が最も強力な暴風雨となっていて、一般的に、このクラスは「スーパー台風」とか「スーパーハリケーン」というように呼ばれる破壊力の激しいものです。
そして、今回のイタリアで記録された最大瞬間風速 200キロメートルというのは、カテゴリー 4にも近いもので、普通は、ヨーロッパでは決して出現しないような暴風です。
暴風の後、ローマをはじめとするイタリアの各地で多くの観光地が閉鎖となっています。
突風で破壊された窓
飛ばされた大きな屋根
写真にありますように、各地で、倒木や屋根が飛ばされるなどが相次ぎ、5名の方が亡くなったと報じられています。
このイタリアの悪天候は、地中海で発生したものですが、昨年は、ギリシャが地中海で発生した珍しいハリケーンの被害を受けたことを以下の記事でご紹介させていただいたことがあります。
このような地中海で発生する異常な気象は、ひとつは地中海の海水温度が関係しているのだろうとは思いますが、ここまでの暴風が発生するようになったということは、地中海の海水温度だけでは説明できない何かがヨーロッパの気象に働いているような感じがします。
この冬の寒波と大雪の激しさといい、ヨーロッパの異常な気象がさらに熾烈となっています。