2019年2月25日の台湾の英字報道より
大平洋に発生した「冬の台風」が、通常ではこの時期としては考えられないほどの勢力に発達して、大平洋上を進んでいます。
この台風は、台風2号で、英名は「ウーティップ」となっています。
2月25日の台風ウーティップ
・NOAA
状況としては、この台風2号は。以下のウェザーニュースにあるように、「観測史上初めて、2月に猛烈な勢力に発達した」台風ということになっています。
台風2号猛烈な勢力に 2月中に猛烈な勢力は初
ウェザーニュース 2019/02/25
マリアナ諸島近海の台風2号が25日(月)15時に猛烈な勢力まで発達しました。2月中に猛烈な勢力まで発達する台風は1951年以降の統計開始以来、初めてのことです。
台風2号は25日(月)15時現在、マリアナ諸島近海を北北西にゆっくりと進んでいます。中心気圧は915hPa、中心付近の最大風速は55m/sと勢力を強め、「猛烈な勢力」となりました。
台風がある近海は海面水温が28℃前後と十分に高い上、台風の周囲を吹く風の環境が発達に適していることで、ここまで発達したと見られます。
今後、この台風2号は、以下のようなコースを辿ると予測されています。
台風2号(ウーティップ)の予想進路
現在は、カテゴリー5の、いわゆる「スーパー台風」にまで発達していますが、この先の海域は、海水温度も低くなっていきますので、今後、勢力は弱まっていくはずです・・・が、そもそも 2月に台風がこのような勢力にまで発達するということ自体が異例中の異例であり、この先も、予想外の展開もあるのかもしれません。
それにしても、前回の記事も、イタリアを襲った「強烈な暴風」を取りあげさせていただいた以下のようなものでした。
実はこのような暴風は、この数日、ヨーロッパ各地や、あるいはアメリカでも見られていまして、「風」に関して、世界は今、少し異常な状態となっているようです。
今回の台風2号のように、まだ冬のこのような時期に、最大カテゴリーのスーパー台風にまで発達するような現象を見ていますと、
「春を過ぎたら、台風やハリケーンの状況はどんなことになるんだろう」
と、正直、思います。
アメリカでは現在、科学者たちが「カテゴリー 5の上」の基準を定めるべきだと、議論が続いていますが、本当にカテゴリー 6が必要になってくるかもしれません。
それに関しては、以下の記事でご紹介しています。
「カテゴリー5ではもはや足りない」スーパーストームの時代に生きている : 世界中の気象専門家が台風やハリケーンの強さの基準にカテゴリー6を加えることを提言
2019年は、さまざまな悪天候に加えて「暴風」ということ自体がクローズアップされる年となりそうです。