知らなかったのですけれど、オーストラリアって、首都圏でロックダウンが続けられていたのですね。
新型コロナワクチン接種だけではシドニーの封鎖終わらない=オーストラリア首相
オーストラリアのモリソン首相は29日、新型コロナウイルスワクチンの接種だけではシドニーのロックダウン(都市封鎖)は終らないとの見解を示した。
ニューサウスウェールズ(NSW)州は28日、同ウイルスのデルタ変異株の感染拡大を抑制するため、州都シドニーの封鎖を8月28日まで1カ月延長した。
シドニー大都市圏で6月26日から封鎖が行われているにもかかわらず、感染者は増加し続けている。 (ロイター 2021/07/29)
これを知りまして、「 6月26日のロックダウンの頃って、どんな状態だったんだ?」とグラフを見てみますと、以下の通りで、 6月26日頃は「ほぼ何も起きていない」ときでした。
オーストラリアの人口100万人あたりの感染確認数の推移(2021年1月1日 - 7月28日)
Daily new confirmed COVID-19 cases per million people
そして、グラフが示しますように、
「ロックダウンと共にすさまじいペースで感染数が増加していった」
ということのようです。
そして、結局、ロックダウンの期間は延長されたと。
この「ロックダウンと共に感染者が増加していく」というのは、昨年からよく見られていた風景ですけれど、対照的に、イギリスは、感染拡大中の中で 7月19日にロックダウンを解除したことを、こちらの記事などでお伝えしました。
そのイギリスで「ロックダウン解除後、感染確認数はどのようになったか」ということに関しては以下の通りです。
イギリスのロックダウン解除前後の100万人あたりの感染確認数の推移
Daily new confirmed COVID-19 cases per million people
まだ、ロックダウン解除後 10日ほどですが、そのあいだに 4割ほど感染確認数が急減しています。
あまりの急減の様相に「検査数」などの違いがあるのかとも思い、検査数のデータを見てみましたが、この期間のあいだ、検査数はほとんど変化していません。
イギリスでは、純粋に「ロックダウンが解除されて感染数が減った」ということになるようです。
こうなりますと、今後のオーストラリアの推移が気になるところではあります。
場合によって、「ロックダウンの延長と共にさらに感染数が増える」可能性もありそうです。
そうなりますと、そのままま終わりのない規制へと突入する可能性もあるかもしれません。
しかしまあ、ロックダウンを解除したイギリスにしても、強力なワクチンパスポートや医療従事者などへのワクチン強制接種が行われていきますので、結局はまた感染数は増えていくのではないかとは思っています。
なお、イギリスでは、コロナ重症患者の大半がワクチン接種者であることは、以下の記事などで報道をご紹介しています。
英国の感染確認数が過去半年で最大となり、死者数は過去三ヶ月で最大を記録する中、「コロナ重症患者の大半が二回のワクチン接種を受けた人たち」であることが露呈
投稿日:2021年7月22日
それにしても、最初のオーストラリアのグラフを見る限りは、「ものすごく感染確認数が増加している」ようにも見えますけれど、たとえば、イギリスなどと比較しますと、「話にならないほど感染数そのものは低い」のです。
比較してみました。わかりやすくするために「日本」と、最近メディアで「感染の激しさが報道されている」インドネシアも載せておきます。
すべて、人口 100万人あたりの感染確認数の推移です。
人口100万人あたりの感染確認数の推移 (2021年1月1日 - 7月28日)
Daily new confirmed COVID-19 cases per million people
イギリスと比較すれば、インドネシアでさえ大した感染状況ではなく、日本やオーストラリアなどは「問題にすること自体がおかしい」レベルの感染状況です。
特にオーストラリアは比較のグラフでは「何も起きていない」と言って構わないレベルだと思いますが、それでもシドニー首都圏は、二ヶ月間に及ぶロックダウンに突入しています。
日本にしても、今後感染確認数は増えてはいくでしょうけれど、それでもイギリスのような状態に至るのには時間がかかりそうです。日本で感染数が急増していくであろう理由は、少し前の以下の記事などでふれさせていただいています。
「結局、ワクチン接種が進んだ国でだけ感染が爆発している」 : mRNAワクチンの世界最初の発明者が自身の懸念を表明。そして日本にもやってくる究極のカオス
In Deep 2021年7月19日
オーストラリア政府の「一種の悪意」は、昨年からよく示されていまして、昨年のオーストラリアのロックダウンでは、「軍事警察国家」さながらの光景が繰り広げられていました。以下の記事などで取りあげています。
狂気のディストピア : オーストラリアでは「ドローンによる屋外マスク不着者の探索」と「子どもの親からの強制連行」も承認され、1984的マッド状態は進行し続ける
In Deep 2020年8月21日
このオーストラリアと、そしてニュージーランドという「オセアニアで最も自由だと思われていた国々」は、昨年以来、世界で最も厳しいコロナ措置を実施しています。
オーストラリアで昨年制定された「新型コロナウイルス緊急対応法 2020」では、「子どもの監護権を両親から外す権限」さえ明記されていました。上の記事に記しています。
どうなっていくのですかね。