前回、南アフリカのでのオミクロンについて、感染確認数と死亡数の推移に、武漢型やデルタ型で見られてたような相関性がなくなっていることを、以下の記事で取りあげました。
死亡の遅延 : 南アフリカの「オミクロン感染数と死者数」の時間的推移の異様な関係
地球の記録 2022年2月21日
その後、いろいろな国をヨーロッパを中心に見ていたのですけれど、
「死亡の遅延」
というより、
「規則性が崩壊している」
という感じの国が多いことに気づきます。
たとえば、ヨーロッパで最初にオミクロン株が確認されたのは(報道は、2021年11月26日)ベルギーですが、そのベルギーの、
・デルタ株の感染拡大期
と、
・オミクロン株の感染拡大期
を比較してみます。
感染数の上昇と死亡者数は、ほんの少しの時間差を置いて正確に比例していることがわかります。
では、オミクロン時の現在はどうでしょうか。
もうバラバラで、死亡事例が遅延しているというより、「何だかよくわからない」相関を示しているように見えなくもないです。
今月、「ワクチンパスポートを廃止する」と発表したイスラエルも同じ期間で見て見ます。
デルタ株の時は、やはり比較的正確な感染状況と死亡状況のリンクが見られます。
以下は、オミクロンの際のイスラエルの感染と死亡の関係です。
ベルギーほど無秩序ではないですが、「死亡の遅延」と共に、流行が沈静化してから「さらに死亡数が上昇している」ことがわかります。
2月2日から段階的にコロナ規制を解除していくと 1月に報じられていたフランスはどうでしょうか。
フランスでも、デルタの時にはそれなりの正確な相関が見られますが、オミクロンでは「死亡数の高止まり」がイスラエルやフランス同様に見られます。というより、感染状況と関係なく、この3ヶ月間、死亡数だけが淡々と増加している感じです。
最近、コロナ規制を撤廃すると発表したと報じられていたデンマークは、以下のようになっています。
デンマークでは、今年 1月からは、感染状況とはあまり関係無く一直線で死者数が増加し続けています。今から1ヶ月くらい前に感染数のピークに一度達していますが、感染数が平行の中で、死亡数が淡々と上昇しています。やや不気味さも感じないではない上昇ぶりです。
他にも同じようなラインを描いている国はたくさんありますが、特に、現在のスペインなどは露骨に「規則性の崩壊」が見られます。
こういうのを見ていますと、現在感染がピークに近いあたりにある日本を含めたアジアのいくつかの国も、「しばらくの間、死者の増加は収まらない」という事態となることは十分に想定できるかもしれません。
その中で、イギリスなどを含めて各国がコロナ規制の撤廃に乗り出していますが、これは「ワケアリの規制撤廃」だと私は考えます。
いよいよ本当のパンデミックに少し近づいているのかもしれません。