2016年10月4日の米国メディア記事より
オーロラと似た現象であり、高層大気の中の化学反応によって「大気自体が光る」大気光という現象があります。
英語では airglow (エアグロー / 大気の輝き)と呼ばれるこの現象は、通常でも起きることはあるのですが、一般的非常に微かな光であるため、肉眼で見られるようなことはほとんどありません。
それが最近、チリのイースター島で、冒頭のように、鮮明な大気光により見事に夜空が見事な「赤」に染まったのでした。
イースター島の場所
・イースター島
Sponsored Link
大気光での強い光の観測は比較的珍しいものですが、地上からではなく、 ISS 国際宇宙ステーションから撮影されたものに関しては、以前、「NASAの国際宇宙ステーションが撮影した「大気光が作り出した、記録にないような赤い宇宙」」という記事でご紹介したことがあります。
2016年4月4日に公開されたNASAの動画より。赤い部分が大気光
・NASA
これは、何かの光が反射しているというものではなく、イオンや太陽光、あるいは宇宙線など様々な原因により、大気が実際に発光しているということで、「大気そのものが光る」現象でもあります。
下は、大地から観測された大気光の例で、ユタ州の国立公園から撮影されたものだそうです。
2015年6月24日 米国ユタ州ブライダル・ベイル・フォールズ
夕焼けなどでも空は赤くなりますけれど、夕焼けは空の大気自体が赤くなっているのではないのに対して、これらの大気光の光景は、そこにある大気そのものが「真っ赤に染まっている」ものではありまして、そのあたりを考えますと、なかなか壮大なものです。
ちなみに、最近は、川とか太陽とか、いろいろと「赤く染まる」事例が多いですが、そのことについて、いくつかリンクと写真を示ておきたいと思います。
最近の「赤く染まった」いろいろな事象
中国河北省の川
・中国河北省で川が広範囲で真っ赤に染まる
ロシア北極圏の川
・ロシア・ノリリスクで川が突然「真っ赤な血の色」に染まる。当局は「原因不明の物質によるもの」と発表
中国の塩湖
・「中国の死海」と呼ばれる運城塩湖の水が突然「血の赤」に変色
カリフォルニアの赤い太陽
・…かつて南緯33度線に出現した「赤い太陽」が、カリフォルニアにも出現