7月24日のスペイン語版BBCの記事より
今年 2018年の 2月の終わりに、「ペルーのクスコ周辺で巨大な亀裂が発生した」ことを以下の記事で取りあげさせていただいたことがあります。
この時には、下のような巨大な亀裂が発生し、地域の約 60世帯が避難し、同時に非常事態が宣言されました。
2018年2月27日 ペルー・クスコ
・Pajarito News
ペルー・クスコの場所
・Google Map
その後どうなったのかについては、あまり報じられていなかったこともあり、私は知らなかったのですが、冒頭の BBC の報道で、
「亀裂は現在も拡大し続けている」
ということがわかったのです。
そして、その今の現地の状態は、惨状としか言いようのないものだったのでした。
下の写真は、今年 3月から最近まで撮影された、ペルー・クスコ周辺の亀裂の発生した場所の状況です。なお、最も被害の激しい場所は、ルット・クトゥト(Lutto Kututo)という村で、写真を見る限りは、もはや「村は消滅した」というようなことになっているようです。
2018年3月から7月にかけて撮影されたペルーのルット・クトゥト村の周辺の状況
今年 2月から亀裂が発生した土地の面積は 30ヘクタールに及んでいるそうですが、亀裂の発生していない周辺地域も地盤的に非常に不安定な状態となっており、さらに亀裂の発生が拡大していく可能性が強いようです。
ペルーでは最近大きな地震があったわけでもなく、他に周辺で異常な地質現象が起きているというわけでもありません。このクスコ周辺だけが、唐突といってもいいような感じで地盤が崩壊し続けているのです。
この土地には長く住んできた人々がいるわけで、少なくとも、そういう人々が暮らし始めてから起きたことのない事象であり、そして、今後この土地に住み続けることは、何ともいえないにしても、難しいような気がします。
今はいろいろな理由によって「人々がもともと住んでいた場所に暮らせなくなる」ことが多いです。
その理由には、洪水もあれば、地震もあります。そして、このペルーの地では、このような前例のない地質活動によって、それが起きているのです。