異常気象

ヨーロッパの山火事の拡大が制御不能へと。北欧諸国を含めて、多くの国と地域でさらなる熱波と森林火災発生のリスクが極限まで高まっている

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ヨーロッパでの山火事の拡大を伝えるロサンゼルスタイムズの記事


Wildfires rage across Europe as countries battle intense heat wave




 

ギリシャの山火事の後のアテネ近郊のリゾート地


latimes.com

先々週、スウェーデンで前例のない山火事に襲われていることについて、以下の記事で取りあげさせていだたいたことがあります。

スウェーデンで歴史的な猛暑と乾燥のために「建国史上最悪の山火事」が発生中。全土50カ所以上で火の手が上がっており、鎮火の目処は立たず

この記事を書かせていただいたのは 7月20日ですが、その日の時点で、スウェーデン各地では、下の地図のような状態で、全土 50カ所から火の手が上がっていました。

7月19日のスウェーデンの山火事の発生場所

The Local Sweden

それから2週間近く経ちますが、何しろ「気温」がまったく下がる様子が見られないために、事態はあまり良くなってはいないようです。

拡大するスウェーデンの火災


latimes.com

上の記事では、「北欧の近隣諸国も同じような状況となってしまうのではないか」というようなことを書きましたが、北欧全体で熱波が続く中、ノルウェーとフィンランドでも山火事が頻発し始めました。

そして、報道によれば北欧は、8月のはじめに「さらなる猛暑と乾燥」が見込まれていて、山火事が拡大する懸念が持たれているようです。さらに、他の地域も含めて、冒頭のロサンゼルスタイムズの記事のタイトルにありますように、「ヨーロッパ中で山火事の危険性が前例がないほど高まっている」のです。

下は、「ヨーロッパ中期予報センター (ECMWF)」が発表した 8月1日のヨーロッパ各国の山火事発生リスクです。


ECMWF/FWI

茶色より濃いエリアは、大規模な山火事がいつ起きても不思議ではないか、あるいは「すでに起きている」場所といっていいと思われます。

これを見ますと、ノルウェーの一部やイギリスなども厳しい状況のようで、スペインでは全土が山火事の発生リスクが非常に高くなっていることがわかります。

ヨーロッパの熱波はまだしばらく続くという予測が多く、現時点ですでに前例のない山火事に見舞われている場所も含めて、今年は大変な災害の年となる可能性が高くなっています。

そして、北欧などで山火事が発生したり拡大するたびに「かつて山火事で失われたことのない森林が消えていく」ことになります。

非常に豊かな生態系を持つ北欧、そしてヨーロッパの広範囲での自然のバランスが今年の夏以降、大きく変わっていく可能性が高そうです。







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