7月19日現在、スウェーデン国内で森林火災が発生している場所(約50カ所)
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日本の猛暑も大変なことになっていますが、北半球のいくつかの場所でも、「異例の熱波」に包まれています。
その中でも、北欧は、北極圏を含めて異様な気温と乾燥に覆われていて、そのような異常気象の中で、スウェーデンでは、全国各地で「山火事」が発生しています。
そして、その数は冒頭にありますように 50カ所となっていて、もととも山火事が少ないスウェーデンでは、「史上最悪の山火事」となっています。
煙で赤く染まる太陽 7月15日 スウェーデン中部のコールベーレ
少しわかりにくいかもしれないですが、下の写真は、欧州宇宙機関(ESA)の地球観測衛星センチネル-2が撮影したスウェーデンの山火事の状況です。地図で赤く囲んだ範囲の写真です。
白い部分が煙で、オレンジに見えるのは火災の場所を示します。
人工衛星から撮影された7月16日のスウェーデンの状況
こう見ますと、
「スウェーデン全土が燃え上がっている」
というような印象さえ受けます。
7月19日 延焼面積が拡大しているスウェーデンの森林の様子
この歴史的な火災の原因は、異常な気温と乾燥によるものですが、日本も暑いですけれど、もともと北欧は夏でも比較的涼しいだけに、平年との差は「異常」といっていいものです。
下は、北欧の平年との気温の差異をあらわしたものです。
7月17日の北欧の平年との気温の差異(右のグラフの数値は華氏表示)
茶色い場所は、平年より 10℃近くも気温が高い場所が含まれています。
この気温図を載せていた米ワシントンポストによれば、通常のスカンジナビアの国の7月の気温は、場所により違うとはいえ、10℃台〜 20℃台のとなるのが普通だそうです。
しかし、今年の7月は、ノルウェーで 32.4℃を記録する場所があったり、スウェーデンでは、ウプサラという街で、34.4℃を記録したりと、日本の猛暑とあまり変わらないような状態となっています。
スウェーデンで 34℃はすごいです。
そのような状況によって、現在はスウェーデンが山火事の猛威に見舞われているわけですけれど、上の気温図を見る限り、ノルウェーやフィンランドも気温が大変に高く、また草原や森林が多い状況も同じですので、今後、それらの国でも同じような事態が起きる可能性もありそうです。
スウェーデンは、EU に支援を要請していますが、この気温と乾燥は今後しばらく続く見込みだそうで、鎮火の目処は今のところ立っていないようです。
極端な事態の発生が世界のいたるところで続きます。