2016年9月12日のラジオフリーアジア韓国
台風 10号以来の大雨などにより北朝鮮北部で発生した大洪水は、１週間ほど前に、
・台風10号の影響から続く北朝鮮での歴史的な洪水の死者行方不明者が80名を超える
2016/09/07
という記事などで取り上げましたが、その時点でも死者 60人、行方不明 25人という大きな被害となっていましたが、被害は拡大し続けているともされていまして、その数日後の 9月11日、国連人道問題調整事務所（OCHA）から、
・死者 133人
・行方不明者 395人
と発表され、死者行方不明 528人という大きな被害となっていることが判明してきています。
冒頭のラジオフリーアジアの記事などでは、今なお、被害の全貌についてはわかっていない部分もありそうです。
水没する北朝鮮の咸鏡北道穏城郡の集落
・NK
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冒頭のラジオフリーアジアの記者が脱北者から聞いた話などでは、500人ほどが暮らしていたある村だけでも 200人ほどが行方不明になっていたりするというような話もあり、状況は混沌としているようです。
国連人道問題調整事務所によれば、この洪水で 3万5千500世帯以上の家屋が被害を受け、このうち 69％は流されるなどして完全に崩壊したとのことで、アメリカの UPI によれば、10万人が家を失った可能性があるとのことです。公共の建物も 8700件が破壊されたと報じられています。
このような洪水被害に対して、北朝鮮当局は、国民を総動員しての復旧に取り組むという指令を出しています。
2016年9月11日の韓国報道より
上の見出しにある「 200日戦闘」というのは、今年５月に、北朝鮮の主席と労働党が提示した「国家経済発展５カ年戦略」のための「国民総動員の生産性向上運動」のことです。
北朝鮮「200日戦闘」のスローガンが書かれたポスター
・SBS
下は今年５月の日本経済新聞からの抜粋です。
北朝鮮、経済開発へ「200日戦闘」 党大会方針を具体化
日本経済新聞 2016/05/29
北朝鮮の第７回朝鮮労働党大会が示した課題の達成に向け、党をはじめとする北朝鮮各機関の幹部が26～28日に平壌で具体策を協議する会議を開いた。
党大会が掲げた2020年までの「国家経済発展５カ年戦略」を実現するために、住民動員運動「200日戦闘」の開始を宣言した。朝鮮中央通信が報じた。
核実験や事実上の長距離弾道ミサイル発射を受けて国際社会が北朝鮮制裁を強めるなか、経済のてこ入れにつなげる狙いのようだ。
気になるのは、今（9月13日）、またしても３つの台風（14号、15号、16号）が同時に発生しているのですが、このうちの台風 14号が、最終的には朝鮮半島に悪天候をもたらすコースをとる可能性があることです。
台風14号の予想進路
・気象庁
朝鮮半島では、韓国でもこの数日間、各地で豪雨が続いていますが、洪水で大きな被害を受けた北朝鮮の北部も、まだしばらくは悪天候が続く可能性があるのかもしれません。
これらの台風は日本にも影響を与える可能性が高いですので、日本もまたも大きな悪天候に見舞われるおそれがあります。