ミニ氷河期の到来 気になるニュース 異常気象

北極上空の大気の循環「極渦」の崩壊による北米、欧州などの寒波と大雪は、今後さらに歴史的な激しさに

投稿日:


2021年のバレンタインの北米の平年との気温の差異。紫の部分は平年より10℃から20℃低い。 GFS-2




 

通常の場合、北極の上空を循環している「極渦」と呼ばれる冷たい大気の流れが「崩壊」し、その異常に冷たい大気が、北極から周辺の北半球に流れ込んでくる可能性を最初に記事にしたのは、1月の以下のものでした。

極渦の崩壊により「過去1世紀で最も寒かった1929年1月の気象パターン」と同様の状態となり、並外れた寒さが北半球の各地に影響を与え始めている
投稿日:2021年1月19日

その後、特に、北米とヨーロッパ、そしてロシアなどにさらに影響を与え続けていまして、さらに今後、この 2月中旬から下旬は、それらの多くの地域で、

「歴史的な寒さと大雪となるという予測」

報じられています。

平年での北極並みの気温になる場所も多くなりそうです。

以下は、2月14日のバレンタインデーの北米の気温の平年との差異(華氏)の予測を示したものですが、「」と「」のエリアは、平年と比較して極端な低温がもたらされることを示しています。

2021年2月14日の北米の平年との気温の差異の予測。緑と紫が極端に低いエリア

severe-weather.eu

カナダ南部からアメリカ北部にかけては、過去最大級の歴史的な寒波が予測されています。

もっとも現時点までで、すでに北米でもヨーロッパでもすでに大変な低い気温が続いていまして、以下は、2月8日のヨーロッパの最低気温の分布です。

2021年2月8日の朝のヨーロッパ各地の気温

Meteociel.fl

ロシアでは -40℃という数字も見え、非常に低い気温が表示されていますが、これが「今後さらに下がっていく」と予測されているのです。

カナダとアメリカでも現時点で非常に気温が低くなっている場所が多いですが、2月中旬までには、以下のように、メキシコにまで低い気温の地域が拡大します。

色の分布としては、薄い紫 = 平年より 20℃ほど低い「濃い紫 = 平年より 10℃ほど低い」などとなっています。

2021年2月14日の北米の平年との気温の差異の予測

GFS-2

カナダとアメリカが異常な低温が記録されると予測されているのに対して、極渦の崩壊により上空の冷たい大気が消滅した「北極」では記録的に高い気温が続いていまして、予測でも、平年より 10℃近く高い気温が続くことが示されています。

つまり、

「北極だけ暖かく、他の北半球の多くは寒い」

という図式となりそうです。

ただ、日本に関しては、今後の予測を見ましても、この極渦の影響は限定的だと思われまして、北日本など一部を除けば、特別に寒くなることはなさそうです。

以下は、2月中旬以降の気圧と気温の推移の予測で、青い部分は、平年より気温が低い場所となり、赤い部分は、平年より気温が高い場所となります。

この図では、下のほうが北海道となり、上のほうが九州、沖縄です。

2021年2月の3週にかけての世界の気圧と気温の予測

severe-weather.eu

北米とヨーロッパでは、少なくとも、3月に近づくまでは、記録的な寒さと大雪が続くと見られます。

そして、すでにこれらの地域と中国、ロシアなどでは異例の寒さがかなり続いているために、暖房需要が平年より大幅に高まったことにより、天然ガスの価格が高騰し続けていることが報じられています。

あと数週間もすれば、各地に春がやって来るはずですが、それまでは異例の低温と大雪による波乱が北米やユーラシア大陸をはじめとした各地で続きそうです。







-ミニ氷河期の到来, 気になるニュース, 異常気象
-, , , , , ,

Copyright© 地球の記録 - アース・カタストロフ・レビュー , 2024 All Rights Reserved.