過去25年間で最大の雨量に
南アジアでは、雨季にあたるモンスーン・シーズンが続いていますが、今年のモンスーンの雨量が平年より飛躍的に多いこともあり、被害が拡大し続けています。
8月に以下の記事で、6月からのモンスーンでの洪水などによる死者数が、1100人を超えたことを取り上げました。
しかし、被害は、その後も拡大し続けており、インド国家緊急対応センター(NDMI)によれば、モンスーンが始まった 6月から 9月29日までの死者数が、1673人に達したことが報告されていました。
そして、9月26日頃からの数日、またも激しい豪雨がインド各地を襲い、この数日だけで 150人近くの人々が亡くなったことが報じられています。
2019年9月30日 ビハール州パトナ
・Washington Post
・BBC
特に、この数日は、ウッタル・プラデーシュ州とビハール州でカオス的な状況となっているようで、交通などが混乱しているのは当然としても、医療サービスや、学校、電力供給にも混乱が発生し、また、いくつかの刑務所でも、洪水により、大規模な囚人の移転を余儀なくされています。
9月30日 浸水したビハール州の病院
・Sky News
軍による住民の救出が続くマハーラーシュトラ州サングリ
・Channels TV
通常はインドのモンスーンは、9月の中旬くらいまでには終わるのですが、今年は、10月になっても終わらず、インドの気象機関によれば、少なくとも 10月上旬以降も雨が続く予測となっていまして、この予測通りとなりますと、通常より 1ヵ月近く長いモンスーンとなることになります。
また、ガンジス川がこの数日の豪雨で大規模に氾濫しており、今後の雨の状況によっては、ガンジス川流域などで被害がさらに広がる可能性があります。
インドは、今年 6月まで記録的な干ばつで、「まったく雨が降らない状態」が何か月も続きました。それが一転し、まったく雨が降り止まない状況が続いています。