カリフォルニア州での群発地震について報じる米国メディア
少し前に、In Deep の記事で、アメリカのカリフォルニア州にあるフォンタナという場所で「同地で、かつてない回数に達している群発地震が起きている」ことをご紹介しました。
世界の地震発生状況の奇妙さが進行し、カリフォルニアでの群発地震が警報レベルに達した今、日本やニュージーランドを含めた環太平洋火山帯の各地で囁かれる「次の巨大地震」。それはいつなのか
それから 10日ほど経ちましたが、フォンタナでの群発地震は、収まるどころか、さらに激しく継続していることが 6月19日の米ロサンゼルスタイムズの報道で判明しました。
その群発地震の回数は、5月の末に群発地震が始まってからの約 3週間で「 1000回」を超えるという規模のものになっています。
フォンタナの場所と、地震の状況は以下のようになっています。
カリフォルニア州フォンタナの2019年6月の地震
・USGS 、Google Map
すべて非常に小さな規模の地震ですが、回数が回数なだけに、「大きな地震につながる可能性があるのではないか」と、地元の人々の間に不安が広がっているようです。
カリフォルニア州の海岸沿いは、環太平洋火山帯に属すると同時に、プレート境界上でもあるので、日本と比較的似たような地質的構造にありまして、もともと地震が多い場所ではあります。
最近でも、カリフォルニア州のいくつかの地域で群発地震が発生したことがありました。21世紀になってからは、以下の群発地震が記録されています。震源は、すべて、カリフォルニア州の「ソルトン湖」とその周辺となっています。
・2001年11月 (震源:ソルトン湖)
・2009年03月 (震源:ソルトン湖)
・2016年10月 (震源:ソルトン湖)
2016年の群発地震については、以下の記事で取りあげたことがあります。
ソルトン湖は、巨大地震が発生する可能性のあるサンアンドレアス断層と隣接しているため、「群発地震が巨大地震の刺激となるのではないか」と懸念されましたが、それらの群発地震の際は、大きな地震の発生はありませんでした。
・Google Map
現在群発が起きているフォンタナは巨大断層と隣接してはいませんが、この回数となりますと、次にどうなるのか予測できない部分がありそうです。
6月のはじめに群発地震が 300回を超えた時に、カリフォルニア工科大学の地震学者たちは、
「フォンタナで起きているこの群発地震は、過去 30年間にこの地震帯で起きた群発地震の中で最多の数となっています」
と述べ、周辺の住民たちに、巨大な地震が来たときのための準備をしておくようにと勧告しています。
過去の地震の記録では、「群発地震に続いて巨大地震が発生した」こともありましたし、「群発地震だけで終わり、巨大地震は発生しなかった」こともありました。ですので、地震学者たちも、どれだけ激しい群発地震に見舞われていても、そこから先の予測をすることはできません。
実際には、「群発地震だけで終わる」ことのほうが多いですが、しかし、地震が地震を誘発する事例もたくさんあり、しばらくは、このカリフォルニアの群発地震に対しての学者と、カリフォルニアの住民の人々の注視が続きそうです。