2019年6月11-16日 中央ヨーロッパ各地にこのような雹が
この春からのヨーロッパの気象がムチャクチャになっていることは、何度か取り上げたことがありますが、6月中旬にかけて、それを非常によく物語る出来事が発生していました。
中央ヨーロッパの各地が、 10センチ以上の雹(ひょう)に見舞われたのです。
下は、6月11日を中心とした「巨大な雹に見舞われた場所」です。小さな緑の三角の地点が 5cm以上の雹が降った場所で、赤とピンクの三角の地点は、 10cm以上の雹が降った場所です。
2019年6月 巨大な雹に見舞われた場所
・ESSL
サイズが 10センチ以上の雹というだけでも、十分珍しいのですが、こんなに広い範囲で同時にこのような雹に見舞われるというのは、おそらくはヨーロッパの歴史の中で初めてのことだと思われます。
このような雹のために、ヨーロッパ各地で、車、各種建造物、インフラなどに大変な被害が出ていたようです。
しかし、最も深刻なのは「農業被害」です。
フランスなどをはじめとして、各地で重大な農業被害が出ていることが報告されています。
6月15日 フランス南部の町で果樹園と畑が全滅したことを伝えるSNS
全滅したトウモロコシ
フランスでは、全土的にこのような雹による畑の完全な破壊が起きたことが伝えられていまして、この事態に対し、フランス農務省は緊急事態を宣言しています。
先ほどの雹のマップを見る限り、他にも、ドイツやオーストリア、ポーランドなどでも、巨大な雹が降っていたようですので、農業被害は、ヨーロッパのかなり広い範囲に渡っている可能性があります。
今年のヨーロッパは、春になっても長く寒波が続き、農業自体の状況がよくありませんでしたが、今回の件で壊滅的な被害を受けた場所も多そうです。
世界で農業地帯が次々と、洪水や、あるいは干ばつ、雹などで荒らされています。
場合によっては、今年の夏以降、本格的に食糧の問題が世界各地で起きてくる可能性もないではないかもしれません。