2017年2月22日のニュージーランドの報道より
・Swarm of hundreds of small quakes near Taupo
ニュージーランドの北部に「タウポ湖」という湖があります。これは、下の説明にありますように、カルデラ湖で、つまり巨大火山の噴火によって作られた湖です。
タウポ湖 - Wikipedia
タウポ湖は、ニュージーランド北島のタウポに位置する、ニュージーランド最大の表面積を持つ湖。
西暦181年の巨大噴火によってできたカルデラ湖。付近では現在も火山活動が活発で、温泉や地熱発電所がある。26,500年前には、VEI8の巨大噴火(過去7万年で最大規模)を起こしている。
ここに「 VEI 」という単位が出てきますが、これは「火山爆発指数」というもので、火山の爆発規模の大きさを示す区分です。これには「1から8まで」あり、数が大きくなるほど爆発規模が大きいということになります。
つまり、このタウポの VEI8 というのは「歴史上最大級の噴火」ということになります。
そのタウポで、先日、非常に回数の多い群発地震が発生しました。
タウポ湖の場所
・Google Map
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ちなみに、VEI (火山爆発指数)が 8だったとされる火山は、過去 100万年では、
・トバ(インドネシア)
・イエローストーン(米国)
・タウポ湖
の3つだけです。
また、「7つの超巨大火山」という概念がありますが、それは、
1.セージア渓谷(イタリア)
2.イエローストーン(米国)
3.薩摩硫黄島(日本)
4.トバ(インドネシア)
5.タウポ(ニュージーランド)
6.シャツキー海台(太平洋の日本側)
7.オントンジャワ海台(ソロモン諸島)
となっていまして、ここにも、トバ、イエローストーン、タウポの3つが入っています。
このように、タウポは、トバ、イエローストーンと並んで、地球を代表する超巨大火山のひとつといえると思います。
このタウポ近くで群発地震が発生したのは 2月13日でした。
最も激しかった時間帯は、2月13日午後 6時から 14日午前 9時頃までで、この 8時間ほどの間に「 290回」の小さな地震が発生したのでした。
ほとんどがマグニチュード3以下の小さな地震でしたが、震源の深さがとても浅いものでしたので、体感的には、マグニチュードよりも強く感じられたそうです。
ニュージーランドの地震火山の専門家たちによれば、この地震は、タウポでの長期的な地質活動の変化と関係している可能性が高いということですが、噴火などとの関連している徴候は示されていないとのこと。
最近のニュージーランドでは、いろいろなことが起きています。
昨年 11月13日には、ニュージーランド中部でマグニチュード 7.8の地震が発生し、強い余震が続きました。
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今年2月の頭には、史上最大規模のクジラの座礁が発生しました。
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また、昨年 10月には、北部のホワイトアイランドという火山島の火口にある湖が「消滅」したということが確認されています。
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ホワイト島の場所
・Google Map
これらのニュージーランドの事象につながりがあるのかどうかはともかく、地質活動が活発化しているように見えるこの地域に関心が集まってきているようです。