2016年10月4日のメディア記事より
・White Island lake disappears, strong fumarole emissions, New Zealandニュージーランドのホワイト島
10月に入ってからは、以下のような火山の噴火や「噴火の予兆」的な現象についての記事が多いです。
[2016年10月の火山関係の記事]
・南極圏のサウスサンドウィッチ諸島で「3つの火山」が同時に噴火 (2016/10/11)
・「2300年間噴火していない」環太平洋火山帯上にあるカナダのミーガー山が噴火活動の徴候 (2016/10/10)
・アイスランドのカトラ火山で始まった著しい群発地震は噴火の予兆? (2016/10/02)
この期間中の 10月8日には熊本の阿蘇山が爆発的噴火を起こしていたりと、どうにも、太平洋火山帯での活動がさらに活発化しているようなのですが、そんな中、「おそらく噴火につながるだろう」とされる現象がニュージーランドにあるホワイト島(ホワイトアイランド)で発生しています。
火口にある湖が「消えた」のです。
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ホワイト島は、ニュージーランドにある「火山島」で、下の説明にありますように、とても活発な活動を繰り返しています。
ホワイト島はニュージーランドで最も活発な活火山で、1826年以降、小さいものから中程度のものまで約35回の噴火が起こっています。島のマオリ名は、劇的な火山という意味の「テ・プイア・オ・ファカアリ」です。
島は丸い形をしており直径約2km、一番高いところで海抜321mあります。しかし目で見えるのは、もっと大きな海洋山のほんの頂上部分にしか過ぎません。通常、ホワイト島の噴火警戒レベルは0から5に区分けした6段階の1か2となっており、噴気孔からの蒸気とボコボコと煮え立つ泥が確認できる状態です。
という島で、島の中央にある火口には下のような緑色の湖があります。
ホワイト島の湖
ニュージーランドで地震情報をはじめとする情報を提供している地質調査所のジオネット(GeoNet)の科学者たちが 10月1日にホワイト島を訪れ、この湖が消滅していることを発見したのでした。湖の深さは約3メートルでしたが、現在は、わずかな水を残して消えてしまっているということです。
ホワイト島の場所
・Google Map
下のリンクに調査隊の報告があります。
・White Island (Whakaari): Lake disappears, strong fumarole emissions
(ホワイト島(ファカアリ):湖が消滅し、噴気孔からの強い噴出を確認)
同時に、火口の背面に噴気孔から強いガスの噴出が起きていることも確認したとのことですが、今のところ、火山性の地震や地鳴りなどの音は観測されていないために、どの程度差し迫っているのかには言及していません。
しかし、科学者たちは、「ホワイト島がいつ噴火しても不思議ではない状態」であるとしています。
ホワイト島、というか、ニュージーランドという国は(日本と同様に)国家の全域が環太平洋火山帯に位置しています。
日本からニュージーランドの環太平洋火山帯の位置
それだけに、環太平洋火山帯の全域で活発な活動が広がっている中で、ニュージーランドの火山活動も拡大していくのかもしれません。