リビアで、「2000人以上が死亡、行方不明者は5000人以上」と、当局が述べる壊滅的な洪水が発生 - 地球の記録

洪水後のリビア東部の街の様子。middle-east-online.com

地中海で発生した嵐により

中東、北アフリカの一部からギリシャなどにかけて、ダニエルと名づけられた低気圧による豪雨により、各地で前例のない被害が出ています。

以下の記事では、先週、ギリシャ中央部の複数の村が水没したことを取り上げていますが、同じ嵐がアフリカ東部のリビアを襲いました。

リビアでは、当局が、「2000人以上が死亡した」と発表するような壊滅的な洪水が発生したことが報じられています。

リビアの位置

Google Map

これらの洪水の原因は、「メディケーン（Medicane）」と呼ばれる「地中海上で発生するハリケーンのような暴風雨」によるものだったようです。

この地中海上で発生する暴風雨は、かつてはなかった現象で、この 10年、20年くらいで急激に増えているものです。

2018年の以下の記事で取り上げたことがあります。

今回、そのメディケーンが、地中海周辺に大きな被害をもたらしているようですが、こんな被害の大きなメディケーンは珍しく、また、リビア当局が発表した「死者 2000人以上」というのが本当ならば、洪水被害としても、歴史的な規模のものとなります。

ただ、結局は、「あまりにも混乱していて、詳細な数字はわかっていない」というのが実際のところではないかと思われます。

報道によれば、洪水に見舞われた地域周辺では、すべての通信や電気が停止しているということで、連絡がほぼ取れない状態の中での発表ですので、実際のところは「不明」というのが正しいような気がします。

ともかく、そのリビアの洪水についての報道を、中東のアルジャジーラからご紹介します。掲載されている写真は、被害の甚大さがわかるものも多いです。

先日は、モロッコで大地震が発生して、2000人以上が亡くなっており、北アフリカでの大規模な人名の損失が続いています。

当局は、大規模な洪水がデルナ市を襲い、少なくとも2000人が死亡したと発表した。

地中海で発生した嵐ダニエルはリビアに壊滅的な洪水を引き起こし、北アフリカの東部にある複数の海岸沿いの町で近隣地域全体を押し流し、家屋を破壊した。

最大 2,000人が死亡したと、同国東部政府の指導者が述べた。

リビアは依然として、民兵組織と外国政府の支援を受けている東部と西部の対立する 2つの政権に分断されている。

破壊は国の東部の都市デルナで最も大きかったように見える。

同地域の赤新月社支援団体の責任者は 9月11日、デルナの確認された死者数は 150人だが、さらに増えると予想されていると述べた。

東リビア政府のオサマ・ハマド首相は 11日、テレビ局との電話インタビューで、デルナでは 2,000人が死亡し、数千人が行方不明になっていると考えられると述べた。ハマド首相は、デルナは災害地域に指定されたと述べた。

東部政府指揮下の軍の報道官アハメド・アルモスマリ氏は記者会見で、デルナでの死者数は 2000人を超えたと語った。同氏は、5,000人から 6 ,000人が行方不明と報告されていると述べた。

アルモスマリ氏は、この大惨事は近くにある 2つのダムが決壊し、致命的な鉄砲水が発生したことによるものだと述べた。

東部の町バイダでは少なくとも 46人の死亡が報告されたと町の主要医療センターのアブデルラヒム・マゼク所長は述べた。救急・緊急当局によると、リビア北東部の海岸沿いの町スーサでもさらに 7人の死亡が報告された。

オッサマ・アブドゥルジャリール保健大臣によると、シャハット市とオマル・アル・モフタール市では他に 7人が死亡したと報告されている。アル・マルジュの町で 1人の死亡が報告された。

リビア赤新月社は、職員の一人がバイダで立ち往生している家族を助けようとした際に連絡が取れなくなったと発表した。

地元メディアによると、他にも数十人が行方不明となっており、当局はリビア東部のいくつかの町で、洪水で死亡した可能性があると懸念している。

デルナでは電気も通信も通っておらず、壊滅的な状況だと地元メディアは伝えた。

国連のリビア担当人道調整官ジョージェット・ギャニオン氏は、初期の報告では数十の村や町が「広範囲にわたる洪水、インフラの損傷、人命の損失など、深刻な影響を受けた」ことが示されていると述べた。

暴風雨ダニエルは 9月11日にエジプト西部の一部に到達すると予想されており、同国の気象当局は雨や悪天候の可能性について警告した。