今年8月24日にイタリア中部で発生し、300名近くの犠牲者を出したマグニチュード 6.2の地震から2カ月が経ちました。
この地震は、イタリア国家としても、近年では 2009年に 309年が死亡した中部地震に次いで、イタリア史上2番目の人的被害を出した地震となってしまいました。
最近のローマ法王の被災地訪問の際の写真を見ましても、地震後ずいぶんと時間が経過しているのにも関わらず、いまだに廃墟のままとなっている光景が写し出されていました。
被災地を訪れたフランシスコ法王 10/04
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地震後の地質活動については、約2週間後に「余震が 5000回を超える」という報道が、現地や欧米のメディアで伝えられていたことを、過去記事の、
・イタリア中部地震:発生後10日目にして余震の数が「5000回」を超える
2016/09/06
で取り上げたことがあります。
地震後 10日くらいまでは非常に活発な余震活動が続いていたわけですが、約2か月が過ぎた今どうなっているかといいますと、その状況が変わらないのです。
減っていくという感じではなく、冒頭の報道によれば、「余震の数は 17000回に達している」のです。
下は、イタリア国立地球物理学・火山学研究所(INGV)が記録した、イタリア中部地震以来の地震の発生の場所と件数です。中央あたりにある「☆」印が、イタリア中部地震の震源です。
・INGV
普通、余震というものは、「最初活発で次第に収まっていく」というようなことになるわけですが、今回のイタリアの地震の場合、
・地震後 10日間の余震が約 5,000回
・地震後 2か月間の余震の数が約 17,000回
と、少なくとも、顕著に減っているとは言えないものがあります。
イタリア国立地球物理学・火山学研究所のデータを見ましても、規模は小さいながらも、下のように毎時間地震が起きているというような感じとなっています。
・INGV
これに対して、この地震活動が「単なる余震なのか」という意見も出てきても不思議ではなく、要するに、何かまだ新しい地質活動が続いている最中ではないのかというような考え方もなくはないです。
日本の最近の地震もそうですが、これまでのような「本震と余震」という考え方だけでは対処できない局面も今後さらに多くなる予感もあります。