南部のタスマニアでは70年ぶりの低温となり平地にも異例の雪が。thewest.com.au
日本は比較的暖かい 11月が続いていますが、世界全体では、今の時期としては異様な「寒さ」に包まれている地域が多くなっています。
特に異例なのはオーストラリアです。
大都市メルボルンでは、11月12日から 15日までの 4日間、「この時期としては 167年間のメルボルンの気温記録の中で初めて」という低温が記録されたことが報じられていました。
以下は、11月14日のオーストラリア全体の気温の「平年との差異」です。
濃い青の部分は、平年より 5℃以上低く、明るい紫の部分に至っては、平年より 10℃以上も低い気温を示しています。
これについて、オーストラリアの気象メディアは以下のように報じています。
記録破りのシーズン後半の寒波がオーストラリア南東部を襲う
weatherzone.com.au 2021/11/15
ここ数日、オーストラリア南東部は異常な寒さに見舞われた。いくつかの場所では、この時期としては過去 160年以上見られなかった寒波に襲われた。11月12日からの数日間、強力な低圧システムによって大量の寒気がオーストラリア南東部の州に入り、強力な寒波がもたらされた。
今回見られたような気象パターンは、オーストラリアでは、今の時期の晩春よりも冬に典型的であり、それが、この時期にはめったに見られない一連の寒い日々をもたらした。
過去 4日間のメルボルンの最高気温は、11月の長期平均である 22℃をはるかに下回り、次のようになった。
11月12日:14ºC
11月13日:14.6ºC
11月14日:15.3ºC
11月15日:13.5C
メルボルンがこの春の終わりに 15.5℃を 4日間下回ったのは 167年の記録の中で初めてだ。
さらに北に行くと、キャンベラの過去 3日間は、この時期の平均を約 10℃下回っている。
11月13日:13.4ºC
11月14日:14.0ºC
11月15日:13.9C
この春の終わりの時期にキャンベラで 14.0℃以下の気温が 3日間示されたのは 99年ぶりの記録だ。
ここまでです。
167年、というのは、その時の記録が更新されたということではなく、これはメルボルンで気温の記録が取られ始めた時ですので、
「メルボルンでは過去のすべての低温記録が破られた」
ことになりそうです。
なお、このメルボルンは、ほんの1ヶ月半ほど前まで長く厳しいロックダウンが実施されていた場所でもあります。
ただし、以下の記事にもありますように、今なお「ワクチンを接種していない人のロックダウンは解除されていない」という現実があります。
オーストラリア政府が「感染数が過去最大を記録する中」でロックダウンを解除(ワクチン接種者のみ)。同国でおこなわれたロックダウンの回数は全13回
投稿日:2021年10月11日
オーストラリアは、これから夏に向かいますが、これから冬に向かう北半球でも、厳しい寒波の報告が増えています。
ヨーロッパには、北極からの大気が流れ込むことにより今後の 1、2週間で「極端な寒波」に包まれると予測されています。
以下は、11月25日のヨーロッパの「平年との気温の差異」の予測です。ほとんどのヨーロッパの地域が、平年より異様に低い気温となる予測となっています。
2021年11月25日のヨーロッパの平年との気温差異の予測
electroverse.net
ヨーロッパは現在、コロナに関して、多くの国で「感染状況と死者数が、過去最悪」を記録しており、さらに以下のようなことになっています。
ADEの嵐が起きているかもしれない:ベルギーの病院ではICUの重症患者の100%が接種済み。アイルランドでは成人の接種率が99.7%の地域が同国最大の流行地に
In Deep 2021年11月16日
また、「平年より低い気温」が「過剰死を引き起こす」ことについての海外の記事を以下で取り上げています。
エネルギー危機が今後「経験したことのない過剰死」に直結する予測が。これがジェノサイドの次章となる可能性も
In Deep 2021年11月3日
ヨーロッパが通常より寒い冬となることは確実の情勢ですが、それが感染や死亡事例の状況にどのように影響を与えるのかはわかりません。しかし、上の記事にありますように、その理由が何であろうと、通常より寒い冬は、通常より多い死を引き起こします。
その状態の中で、ヨーロッパではエネルギー不足の問題が解決しておらず、欧州で暖房に使われる主要なエネルギーである天然ガスの価格はさらに上昇し続けていることが報じられていました。
さまざまな意味で厳しい冬になりそうです。