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2016年の世界の気温は観測史上最高を記録し続けていながら、この7月は「世界7大陸のうち6つで夏の雪が降る」という異常な組み合わせの地球

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2016年7月19日にNASAが発表した世界の平均気温の推移

2016temperature2016 Climate Trends Continue to Break Records

NASA のゴダード宇宙科学研究所は、7月19日、2016年の 1月から 7月までの世界の地表と海水表面の平均気温が、観測史上で過去最高を更新したと発表しました。

上が NASA が発表したグラフですが、2011年頃から上昇し始めた平均気温は、2015年から今年にかけて、ものすごい急激な上昇カーブを描いています。

地域別に見てみましても、今年の7月までは、地球全体として平年より気温が高い傾向にあったことがわかります。

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平均気温の差異の地域ごとの差としては、下の分布図に示されています。

濃い赤になればなるほど、平年より気温が高く、オレンジや黄色は、平年よりやや高い場所で、青い場所は平年より気温が低い場所です。

2016年1月-7月の世界の平年との気温の差異

2016-global-teperatiuresNASA

これを見ますと、北半球の極に近い地域が極めて平年より気温が高い状態になっていまして、アラスカ、ロシアの極東、そして北極などは、通常より非常に気温が高くなっているようです。

実際、アラスカやロシアでは、ふだんはほとんどないような「熱波のニュース」が報じられています。

2016年7月14日の報道より
baked-alaskaUSA Today

このように、例年にない暑さに見舞われている地域が多くある一方で、たとえば、上の気温の分布図では、南極は平年より気温が低いことが示されており、また、春以降は、南半球で記録的な寒波に見舞われる場所が多くなっています。

これについては、たとえば、

ブラジルに歴史的な寒波が到来 : 南部サンタカタリーナ州では異例のマイナス20℃に
2016/06/10

という記事などでご紹介したことがありましたが、春以降、南米の多くの地域が並外れた低温に見舞われていまして、「 4月から 7月までの気温の統計」を出した場合は、南米やアフリカの色分布は「青い地域が多くなる」と思われます。

そして、タイトルにも書きましたが、「全世界の平均気温が過去最高」なのに、「夏の雪の降り方も過去最高レベル」となっているのです。

具体的に書きますと、報道ベースでは、

「世界の7大陸のうちの6つで7月に雪が降った」

ということになっているのでした。

具体的には、7大陸は、

・アジア大陸(ユーラシア大陸の一部)
・ヨーロッパ大陸(ユーラシア大陸の一部)
・アフリカ大陸
・北アメリカ大陸
・南アメリカ大陸
・オーストラリア大陸と太平洋の島々
・南極

となりますが、アフリカ大陸以外のすべての地域で、この7月に雪が降りました。

7月11日 米国モンタナ州、アイダホ州、ワイオミング州で7月の雪
us-july-snow2夏の雪 : ロッキー山脈やイエローストーン国立公園などで7月11日に大雪。これはジェット気流の変化のせい?

 

そして、現在、南半球の気温が平年よりかなり低い状態で推移していますので、あるいは、南アフリカなど、アフリカ大陸の南部でも「雪」が降ったりするようなこともあるかもしれませんが、そうなれば、北半球、南半球を問わずに「7月にすべての大陸で雪が降った」という年になりそうです。

先行きは誰にもわからないとはいえ、世界は、単に「気温がどんどん上昇する」ということだけではない複雑な気温と気候の状況になっていると思われます。

日本にしても、今日(7月21日)などは、西日本は大変な猛暑に見舞われているようですが、関東は、たとえば、東京(予想最高気温24℃)は、札幌(予想最高気温25℃)より涼しく、私の住んでいる所沢など、今日の予想最高気温が 22℃と、5月並の涼しさとなっていて、北海道より涼しい状況がしばらく続くようです。

8月近くにもになって、「風が冷たいと感じる」午前を過ごしたのも、なかなか珍しいことかもしれません。

今後も、そう単純には気温も天候も推移しないようには思います。







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