太陽活動と宇宙 戦争の時代 異常な現象

G4クラスの地磁気嵐の中、世界中で「初めてオーロラを見た」人が続出。何しろ北緯33度より低緯度のメキシコでもオーロラが見られたのだから…

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米カリフォルニア州ラグーナ山(北緯33度)で撮影されたオーロラ。2023年4月23日

Art Brown




 

1ヵ月で二度目のG4クラスの嵐

ほぼ 1ヵ月前の 3月23日から 24日、太陽からの影響での地磁気嵐が、最近では最強の G4カテゴリー (上から 2番目の強さ)となり、アメリカやヨーロッパを含む、非常に多くの場所でオーロラが観測されました。

通常では決してオーロラなどが出ることはない低緯度の場所でも多くの地域で撮影されていました。以下の記事で取り上げています。

地球が、発生原因不明の「G4」クラスの深刻な地磁気嵐に見舞われている。アメリカでは北緯33度近辺でも赤いオーロラが観測されるという異常
 地球の記録 2023年3月25日

 

この時の地磁気嵐の特徴は、

「なぜ地磁気嵐が発生したのか、その原因がわからない」

という点にありました。

太陽で特に大きなフレアが起きたわけでもなく、太陽表面の磁気フィラメントの爆発などの特別な現象はいっさい観測されていませんでした

当時のスペースウェザーも、「原因は不明だ」と記事で書いていましたが、その後、原因が判明したという続報はなく、わからないままでした。

 

そして、それからほぼ 1ヵ月後となる最近の 4月23日に、

「また G4 カテゴリーの磁気嵐が発生した」

のでした。

地磁気嵐が上から2番目の強さの「G4」に。ドイツのベルリンでもオーロラが目撃されるという異常 (2023/04/24)

 

1ヵ月ごとに、このような強い地磁気嵐の直撃を受けるというのは記憶にはないですが、それだけ太陽活動そのものが強いということを示しているのかもしれません。

4月23日から 2日間ほど続いた地磁気嵐も、原因は、太陽フレアによるものではありませんでした

「磁気フィラメント」と呼ばれる太陽表面にある紐状に磁気が集合している場所で爆発が起きたことにより発生した CME (コロナ質量放出)によるものです。

4月21日の磁気フィラメントの爆発

spaceweather.com

磁気フィラメントの爆発で CME が発生することはあり得ることですが、ただ…この十数年、太陽の現象を見続けていますが、磁気フィラメントの爆発による CME (コロナ質量放出)が、

「 G4レベルまでの磁気嵐になったことはあったっけ?」

という疑問はありました。

磁気フィラメントの爆発は、太陽フレアと違い、正確なデータが残っているわけでもないですし、記憶でしかないのですけれど、少なくとも「珍しい」とは思いました。

 

思い出したのは、今年の 2月に書きました記事で、

「太陽で磁気の極渦が起きている」

ことが観測されたということを取り上げました。太陽観測史上で初めて見られた現象です。

太陽で信じられないような異常な現象が起きていることが発覚
 In Deep 2023年2月11日

 

また、その後、「太陽津波」という現象が発生した際にも、地球は強い地磁気に見舞われて、世界各地でオーロラが観測されました。

太陽でXフレアと共にきわめて珍しい「太陽津波」が発生。それより気になるのは「暴力的な精神異常と関係する赤いオーロラ」が続出していること
 In Deep 2023年2月18日

 

太陽フレアの発生状況とは関係なく、「太陽自身のエネルギーがアップしている」という可能性はあるのかもしれません。

今回も「赤いオーロラ」が、特にアメリカで多く観測されていました。

この分だと、今後も太陽フレアとは関係ない状態でも、しばしば強い地磁気嵐が発生する可能性が高そうです。

磁気嵐も、最強の G5カテゴリーなどになれば、実生活にも影響(通信の問題や停電の問題など)が出てきますので、今後しばらくは、そういう懸念も続きそうです。

 

スペースウェザーは、「いかに低緯度のアメリカの各地でオーロラが観測されたか」を報じていますが、たとえば、メキシコとの国境のテキサス州ターリングアという北緯 29.5度の場所でもオーロラが見えました。

4月23日 米国テキサス州ターリングアで観測された赤いオーロラ

Brad Dwight

 

今回も赤いオーロラが多かったです (そして、なぜか紫のオーロラも多かった)。

以前、「赤いオーロラは人を狂気を導く」という研究について記事で書いたことがありましたが、最近の「アメリカの若者たちの狂気にも似た騒動ぶり」を思い出します。以下にあります。

予測されていた「暴力の季節」は、予測を超えたカオスの状況。そして太陽活動の極大期がこれまでの予測より大幅に早い「2023年後半」になる可能性が最新の研究で浮上
 In Deep 2023年4月17日

無法化する米ボルチモアで、人気のあったモールからほぼすべてのショップが去り、街自体が廃墟化へ (2023/04/23)

 

スペースウェザーの記事をご紹介します。




 


どのくらい低緯度までオーロラが観測されたのだろうか

HOW LOW DID THE NORTHERN LIGHTS GO?
spaceweather.com 2023/04/25

4月23日に CME が地球の磁場を直撃し、 G4クラスの激しい地磁気嵐を引き起こした。

オーロラは北極圏から、アメリカとメキシコの国境 (北緯29.5度)まで広がった。

テキサス州でオーロラを撮影したブラッド・ドワイト氏は、以下のように述べた。

「激しい地磁気嵐の警告を見たとき、私はテキサス州のビッグベンド地域で夜空を撮影していました。カメラを北に向けてみることにしました。そこに何かが見えるかどうかを確認するためです。 その後、この赤いオーロラの爆発が見えたのです」

アメリカの他の注目すべき低緯度の目撃情報には、南カリフォルニア(北緯32.5度)、アリゾナ州 (北緯34.8度)、アーカンソー州 (北緯35.1度)、コロラド州 (北緯38度)、ユタ州 (北緯40.8度)、オクラホマ州 (北緯36.3度)、ノースカロライナ州 (北緯36.2度)、テネシー州 (北緯35.4度)、ニューメキシコ州 (北緯35.9度)、ネブラスカ州 (北緯40.6度)が含まれる。

アメリカ北部の高緯度になるほど、鮮やかなオーロラが撮影された。モンタナ州ヘレナ (北緯46.5度)で、カティー・コルブツェスキー氏が撮影したこの写真などがそうだ。

「オーロラを見たのは人生で初めてでした」と彼女は言う。

「それらは私の頭の真上と周囲全体に明るいドーム状に広がっていました。普通は夜は暗闇で覆われている砂利道にいる車や人がオーロラの光で見えていました」

なお、新たな CME が近づいている。しかし、これは深刻な地磁気嵐を引き起こすものではない。4月27日と 28日に、弱い G1クラスの地磁気嵐が発生すると予測されている。







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